2006 Fiscal Year Annual Research Report
がん患者の痛みと日常生活に関する心理・社会的リハビリテーションについての研究
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18790436
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
佐藤 大介 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助手 (00381682)
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Keywords | 代替医療 / 腫瘍 / 障害学 / 作業療法学 |
Research Abstract |
術後がん患者に対して、研究代表者が先行研究で作成したPhysical Performance Test(PPT)Battery日本語版の信頼性・妥当性・実施可能性を検討すること、また、PPT Battery日本語版を評価尺度の1つとして用い、術後がん患者の痛みによる日常生活上の活動制限を客観的に測定し、それに関連する要因を検討することを目的に調査を行った。 日常生活上の活動制限の評価に、時間を測定する7つの動作と距離を測定する2つの動作から成るPPT Battery日本語版を用いた。また、痛みの感覚的評価と感情的評価にVAS、日常生活動作の自立度の評価にFIM、倦怠感の評価にBFI、生活満足度の評価にEORTC-QLQ-C30を用いた。 信頼性に関して、評価者間信頼性・評価者内信頼性共に高いICC値を示した。妥当性に関して、PPT Batteryの日本語版の各項目得点とFIMの合計得点との間に有意な関連が認められた。 今回検討したPPT Batteryの日本語版は,術後がん患者の日常生活上の活動制限を評価する尺度として十分な信頼性と妥当性を有することが示され、痛みとの相関が示された.痛みは、術後がん患者の日常生活上の動作遂行に影響を与え、また、倦怠感と生活満足度も動作遂行に関連した。痛みによる日常生活上の活動制限に関連するこれらの要因について、リハビリテーション実施による効果を踏まえて更に検討が必要である。
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