2007 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮前駆細胞を用いた細胞遺伝子治療の開発〜がん治療への応用〜
Project/Area Number |
18790439
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
水上 裕輔 Asahikawa Medical College, 医学部, 助教 (30400089)
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Keywords | がん / 血管新生 / 血管内皮前駆細胞 / 細胞移 / がん微少環境 |
Research Abstract |
血管内皮前駆細胞(endothelial progenitor cell;EPC)の虚血領域への血管選択的な局在能に着目し、これらを用いたdrug delivery system(DDS)を念頭においた基礎実験を行った。マウス骨髄由来EPCに対してレンチウイルスを用いた導入実験を行い、良好な導入効率が得られることを確認した。次に、担癌ヌードマウスに対してTie2/LacZトランスジェニックマウスないしGFPマウスの骨髄単核球より分化誘導したEPCの移植を行い、腫瘍血管へのEPCの分布を組織学的に解析した。移植(経静脈投与)されたEPCは腫瘍血管に局在し、その一部は血管内皮紹胞へと分化することが確認された。しかし、その割合はこれまでの骨髄置換モデルにおける報告と比較して著しく低く、腫瘍内に分布した移植細胞の数%に留まり、その多くが血管周囲に分布していた。さらに、当初はEPC移植による腫瘍の増大を危惧していたが、逆に10^5〜10^6個を移植した際には腫瘍の縮小を認めた。組織学的に内腔の拡大を伴う腫瘍血管の増生と腫瘍内低酸素域の縮小がみられたことから、分化誘導処理が施されたEPCが腫瘍組織内に動員されることによって、がん微少環境が修飾される可能性が示された。この現象は、難治がん治療へと応用可能と考え(特許出願済み)、遺伝子修飾を施したEPCの移植を行うという当初の方向性を修正し、現在EPCによって誘導されるがん微少環境の変化の詳細とその分子メカニズムの解明を試みている。
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Research Products
(5 results)