2006 Fiscal Year Annual Research Report
tp53遺伝子機能解析データベースを利用した抗癌剤感受性予測システムの開発
Project/Area Number |
18790441
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大塚 和令 東北大学, 病院, 助手 (90375072)
|
Keywords | 消化器学 / TP53遺伝子 / 抗癌剤感受性 |
Research Abstract |
申請者を含む研究チームが既に作成したp53ミスセンス変異ライブラリー(Kato S, Otsuka Kら、PNAS 100,8424-8429,2003)には、1塩基置換により生じうる全ての1アミノ酸置換型変異p53(2314種類)が網羅されている。今回、申請者はこのライブラリーを用いてTP53 cDNA上にミスセンス変異を持つp53発現プラスミドを約1000種類抽出した。このプラスミドのTP53 cDNAのコドン72はプロリン(P)である。このプラスミドからTP53 cDNA断片をPCR法により増幅し、コドン72がアルギニン(R)であるp53発現ベクターとともに出芽酵母内に導入し、相同組換え法により変異p53発現ベクターをin vivoで構築し、結果978種類の変異p53発現ベクターを作成した。構築したp53発現ベクターにおけるTP53 cDNAのコドン72はPからRに置換されている。また、酵母内にはWAF1遺伝子由来のp53結合配列を持つEGFPレポータープラスミドも導入されており、その発現を測定することにより転写活性化能を定量的に評価できるシステムとなっている。コドン72遺伝子多型が変異p53の転写活性化能に影響を及ぼすか、コドン72がRである変異p53とPである変異p53とでその転写活性化能を定量的に比較した。結果、978変異体のうち、コドン72がRである場合とPである場合に、転写活性化能の有意差(p<0.001)を認めた変異体は11種類であり、その他の大多数のp53ミスセンス変異体においてはその転写活性化能はコドン72の遺伝子多型に大きな影響を受けなかった。今回得られた結果は、TP53にある変異が生じた場合にのみ、p53の転写活性化能が遺伝子多型により影響を受けることを実験的に示しており、コドン72遺伝子多型についての重要な知見である。
|