2006 Fiscal Year Annual Research Report
HCV複製増殖に関わる分子シャペロン・サイクロフィリンの機能解析
Project/Area Number |
18790446
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中川 美奈 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (30401342)
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Keywords | HCVレプリコン・システム / サイクロスポリンA / siRNA / サイクロフィリン / HCV増殖複合体 / Two-Hybrid法 |
Research Abstract |
(1)siRNAによるサイクロフィリン・ファミリー遺伝子の発現抑制 siRNAを用いてサイクロスポリンAの標的宿主遺伝子であるサイクロフィリン・ファミリーの遺伝子発現の抑制をみ試みた。宿主遺伝子上のsiRNA候補配列を、既に活性の確認されているものを含め系統約に設計した。siRMAはsense鎖、anti-sense鎖をそれそれ合成し二重鎖としたものを化学合成した後、それらのsiRMAを標的細胞に導入し、C型肝炎ウイルス(HCV)レプリコン・システムを用いてウイルス増殖、およびサイクロスポリンAに対する感受性への効果を解析した。 (2)細胞内siRNA発現レトロウイルスベクターによるノックダウン細胞の作成 人工的に細胞内に導入したsiRNAはそれ自身が細胞内のリボヌクレアーゼにより分解されるためその効果は一時的である。そこで、HCVゲノム破壊効果の確認されたsiRNAについて、さらに細胞内における効果を持続させるため、哺乳類プロモーター下にsiRMを発現するmmコンストラクト存構築し、細泡内における効果を解析した。siRNA発現レトロウイルスをHuh7細胞に感染することにより、定常的に宿主遺伝子が抑制されたノック・ダウン細胞を樹立した。 (3)H(罪複製増殖におけるサイクロフィリンの影響の解析 サイクロスポリンAの持つ抗HCV効果の作用機序については、未だ十分明らかとはなっていないが、我々の検討ではHCV増殖複合体が存在するとされる細胞質、小胞体などに多いとされるサイクロフィリンA、 B、 Cが関与していると考えられた。サイクロフィリンの基質については十分明らかとなっていないが、HCV蛋白と直接的な会合があるかどうか免疫沈降法を用いて解析した。また、サイクロフィリンと相互作用する未知のタンパグを網羅的に解析するため、ヒトcDNAライブラリーを用いたTwo-Hybrid法で解析を行った。今後、それらとHCV蛋白との複合体形成の有無や、複製増殖に与える影響などにつき、引き続き解析を行う予定である。
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