2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790453
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
堀口 和秀 University of Fukui, 医学部, 助教 (20377451)
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Keywords | 消化管 / カハール介在細胞 / 発生 / サブトラクティブ・ハイブリダイゼーション法 / マウス / c-kit / msx2 / ntrk2 |
Research Abstract |
本研究は、カハール介在細胞の発生に関わる遺伝子群を探索することを目的としている。 昨年度までの研究で、野生型に比べc-kit変異マウス(W/W)で発現量が低下している遺伝子の内で特に発現量の差が大きい2遺伝子msx2およびntrk2をカハール介在細胞(W/Wで欠損する)の発生に関わる候補遺伝子と考え、本年度は以下の研究を行った。 1. msx2およびntrk2両遺伝子について、胎生期マウス小腸における定量PCR法による発現解析を行った。その結果、両遺伝子とも胎生13日〜18日の各段階および生後の小腸において、W/Wにおける発現量の有意な低下が確認された。細かく見ると、両遺伝子とも胎生13日ないしは14日の段階で発現量の差が大きいが、その後の15日〜18日では発現量の差がいったん小さくなった。しかしながら生後0日では再び発現量の差は大きくなった。 2. 免疫染色法による形態学的解析の結果、本研究で用いた抗体では残念ながら胎生期には反応は認められなかったものの、生後0日の野生型マウス小腸のカハール介在細胞の核にMsx2陽性反応が観察され、同時期のW/Wでは陽性反応は認められなかった。 本研究の結果から当該細胞の発生に関わる遺伝子として新たに二つの候補遺伝子が同定された(英文学術誌に投稿準備中)。カハール介在細胞は消化管運動の調節細胞として重要な役割を果たしており、腸運動障害を伴う種々の疾患での障害が報告されている。当該細胞の発生調節の解明は臨床方面への発展も期待されるところであり、今後は本研究で同定された遺伝子の役割について検討したい。
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