2006 Fiscal Year Annual Research Report
Toll-like receptorを介した自然免疫による炎症性腸疾患の制御
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18790468
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
片倉 響子 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (70423788)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / 自然免疫 / Toll-likereceptor |
Research Abstract |
1.腸炎におけるpDCの関与についてマウスを用いて検討した。マウスの腸炎モデルとしてDextran Sulfate Sodium(DSS)腸炎を用い、腸炎の評価はDSS自由飲水開始後7日目にDisease Activity Index(DAI)およびMyeloperoxidase(MPO)assayを用いて行った。(1)naiveマウスおよびDSS腸炎マウスの大腸、腸間膜リンパ節、脾臓からpDCを分離し、EACSにて数量の差異を検討した。(2)マウス骨髄細胞からFlt3リガンドを用い誘導したpDC(BMpDC)を作製し、CFSEでラベルし5×10^6個を腹腔内投与後にDSS腸炎を起こし、腸炎によるpDCの分布を確認した。(3)20×10^6個のBMpDCを投与することでDSS腸炎を抑えることができるかを検討した。 (1)腸間膜リンパ節からのpDC分離が困難であったため大腸と脾臓のpDCを検討した。腸炎前の脾臓では1.56×10^6cells、腸炎後脾臓0.42x10^6cells、腸炎前大腸0.12×10^6ceUs、腸炎後大腸0.11×10^6cellsと、腸炎後脾臓で有意にpDCが減少していたが、大腸への分布に有意差はなかった。 (2)DSS腸炎後の大腸、バイエル版、腸間膜リンパ節、脾臓を採取し凍結切片を作製し、蛍光顕微鏡にて腹腔内投与したCFSEでラベルしたBMpDCの分布を検討したが、DSS開始後7日目のいずれの臓器においてもpDCの分布は確認できなかった。 (3)pDC投与群においてDAIは1.4、MPO assayは1.94U/gで、pDC非投与群におけるDAI3.4、MPO assay3.39U/gに比較し有意に低下しており、腸炎の発症がpDCにより抑制されていることが示唆された。 2.IBD患者の末梢血単核球(PBMC)を分離し、異なるToll-like receptor(TLR)リガンドで刺激し、サイトカイン産生の差異を検討した。(4)潰瘍性大腸炎患者50例、クローン病患者10例、および健常人対照50例から末梢血10mlを採取し、比重遠心法にてPBMCを分離した。Pam_3CSK(TLR2 ligand)、polyl: C(TLR3 ligand)、LPS(TLR4ligand)、Imiquimod(TLR7hgand)、CpGODN(TLR9ligand)各々でPBMCを刺激し48時間後の上清を採取し、ELISA法にてI型IFNおよびTNF-αのサイトカイン産生量を検討した。 (4)健常人PBMCに比し、潰瘍性大腸炎患者PBMCではTLR7およびTLR9リガンドによる刺激に対し、IFN-α産生能の低下が認められた。TNF-αの産生に違いは認められなかった。
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