2006 Fiscal Year Annual Research Report
全ゲノム相関解析を用いたクローン病感受性遺伝子の解析
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18790484
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山崎 慶子 独立行政法人理化学研究所, 消化器系疾患関連遺伝子研究チーム, 研究員 (50415329)
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Keywords | クローン病(Crohn病) / 炎症性腸疾患 / 全ゲノム相関解析 / SNP |
Research Abstract |
クローン病は、近年わが国において急激に増加傾向にある慢性炎症性腸疾患である。これまでの多くの研究にもかかわらず原因は不明であり、治療も対処療法にとどまる難病である。これまでの遺伝疫学的研究から遺伝要因の強い多因子疾患であることがわかっており、数々のクローン病疾患感受性遺伝子が欧米人集団より同定されている。 我々は全ゲノム規模のスクリーニングにより、TNFSFI5という新たな感受性遺伝子を同定した。現在、我々はTNFSF15がクローン病にどのような影響を与えるのかを調べるため、遺伝子改変動物(ノックイン・ノックアウトマウス)を作成中である。作成後は疾患モデル動物としての可能性について検討を行う。また、TNFSF15上にはP<10^<-10>という強い相関を示すSNPが12個存在する。それら疾患感受性SNPがどのように疾患の病態に関与しているのかについても現在、同定を試みている。 世界中で様々なクローン病関連遺伝子の探索がなされている。近年、SNPを用いた全ゲノム規模の探索により、ATG16L1(Nat Genet 39:207-211),IL23R (Science 314:1461-1463)が同定された。これら遺伝子は欧米人集団を用いて同定されていることから、 ・日本人クローン病の疾患感受性に寄与しているのか、 ・TNFSF15との相互作用が見られるのか を調べている。クローン病の複雑な遺伝的背景について解明をすすめることで、新たな知見が得られると考えている。
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