2007 Fiscal Year Annual Research Report
全ゲノム相関解析を用いたクローン病感受性遺伝子の解析
Project/Area Number |
18790484
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山崎 慶子 The Institute of Physical and Chemical Research, 消化器系疾患関連遺伝子研究チーム, 研究員 (50415329)
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Keywords | クローン病(Crohn病) / 炎症性腸疾患 / 全ゲノム相関解析 / SNP |
Research Abstract |
クローン病は、近年わが国において急激に増加傾向にある慢性炎症性腸疾患である。これまでの多くの研究にもかかわらず原因は不明であり、治療も対処療法にとどまる難病である。これまでの遺伝疫学的研究から遺伝要因の強い多因子疾患であることがわかっており、数々のクローン病感受性遺伝子が欧米人集団より同定されている。 世界中で様々なクローン病関連遺伝子の探索がなされている。2005年末よりSNPを用いた全ゲノム規模の探索が相次いで報告された(ex)ATG16L1(Nat Genet 39:207-211)、 IL23R(Science 314:1461-1463)、UK The Wellcome Trust Case Control Consortiumによる多くの多因子性疾患スクリーニング(Nature 447:661-78))。これら遺伝子は欧米人集団を用いて同定されていることから、日本人クローン病の疾患感受性に寄与しているのかを調べたが、強い相関を確認することはできなかった(J Hum Genet 52:575-83にて報告)。 クローン病の遺伝的背景に欧米人と日本人との間の遺伝的人種差は大きいことが知られているが、本研究は更なる裏付けをすることが出来たと考えられる。現在我々はSNPを用いた新たな全ゲノムスクリーニングを行っており、新たな日本人クローン病感受性遺伝子を試みている。今後、新たなクローン病感受性遺伝子を同定することで、新たな知見が得られると考えている。
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