2007 Fiscal Year Annual Research Report
血管壁石灰化の分子機序-血管平滑筋細胞は骨芽細胞に分化するか?
Project/Area Number |
18790489
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
佐藤 浩子 Gunma University, 医学部, 助教 (50396652)
|
Keywords | 循環器 / 発生文化 / 遺伝子 |
Research Abstract |
前年度までに、われわれは塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)と、Cbfa1が、血管平滑筋細胞の分化を抑制し、骨分化マーカー遺伝子発現を誘導することを見出した。今年度は血管平滑筋細胞における骨芽細胞分化マーカーの発現機構の詳細を検討することを目的とした。 bFGFによる骨芽細胞分化マーカー発現のシグナル伝達機構を検討するため、各種蛋白阻害剤あるいは抗酸化剤を用いてノーザンブロットを行なった。bFGFによるOPNの遺伝子発現は、MEK1阻害剤PD98059と、抗酸化剤DPIで抑制された。bFGFは血管平滑筋細胞において、過酸化水素を産生した。また、ウェスタンブロットで、bFGFによるERKの活性化は活性酸素の産生を介することが示唆された。以上より、bFGFによる血管平滑筋細胞における骨分化マーカー遺伝子発現機序には、活性酸素の産生ととERKの活性化が重要である可能性が示唆された。Myocardinは、平滑筋分化に重要な分子である。Cbfa1がMyocardinと拮抗し平滑筋分化を抑制するか否かを検討するため、ルシフェラーゼアッセイを行なった。結果、Cbfa1は、Myocardinの平滑筋分化マーカーの遺伝子発現調節を抑制した。Cbfa1遺伝子欠失マウス由来の線維芽細胞では、平滑筋分化マーカーであるSmalpha-actin遺伝子などの発現が増加していた。以上より、Cbfa1はmyocardinと拮抗し、平滑筋分化を抑制する可能性が示唆された。 研究者らは、科学研究費補助金を交付された2年の間に、血管平滑筋細胞において、骨芽細胞への転換が起こりうること、その機序の一つとして、Cbfa1が平滑筋分化に重要な分子と拮抗することを示唆した。 骨粗鬆症例での骨代謝マーカーと血管壁硬化度の相関に関しては今年度中に施行出来なかった。
|
Research Products
(1 results)