2006 Fiscal Year Annual Research Report
右室同期不全を有する慢性肺高血圧症に対する心臓再同期療法の効果
Project/Area Number |
18790495
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
土肥 薫 三重大学, 医学部附属病院, 医員 (50422837)
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Keywords | 機械的同期不全 / 右室負荷 / ストレイン / 心室機能 / カテーテル |
Research Abstract |
1.心エコー2-Dstrain法(speckle tracking法》による心室機能および機械的同期不全の評価:心室機能や機械的同期不全を心エコー2-Dstrain法(speckle tracking法)という新しい手法により定量的に評価できるか検討した(preliminary data)。 (ア)正常心および高血圧性肥大心における拡張能、および収縮能との相互関係を2-Dstrain法により検討し、長軸方向の拡張早期ストレインレートは非常に鋭敏な拡張機能の指標であり、正常心では加齢による拡張能低下速度に明確な性差が存在することを明らかにした(2006年度日本心臓病学会学術集会で発表)。更に、肥大心における拡張能の低下は収縮能に非常に密接に関連することも示した(J Am Coll Cardiol.2007;49:suppl 150A、Jpn Cir J.2007;71 Suppl I:226)。 (イ)過剰な右室負荷による右室機能の低下と右室壁運動の機械的同期不全の程度を2-D strain法により定量評価した。慢性および急性肺高血圧(急性肺塞栓)患者では正常心に比し、右室収縮期ストレインの低下と、機械的同期不全(最大ストレイン値までに要する時間が心室中隔に比べ右室自由壁では有意に遅延する)が認められ(慢性肺高血圧:169±62ms*、急性肺塞栓:163±57ms*、正常心:76±24m、*p<0.05vs.正常心)さらに、急性肺塞栓の回復期には、右室機能、同期不全ともに改善することを示した(論文投稿予定)。このように、2-D strain法による心室機能の定量評価は機能変化や障害の程度を鋭敏に反映し、さらに、右室負荷の条件では、明らかな右室機能不全と機械的同期不全が存在することを臨床データから証明することが出来た。 2.コンダクタンスカテーテルによる心室機能および機械的同期不全の評価:心室機能や機械的同期不全の程度をコンダクタンスカテーテルにより定量評価可能か、preliminary dataとしてまず左室で検討した。イヌ高心拍出性心不全モデルでコンダクタンスカテーテルによる1心拍の左室容積変化を検討した結果、局所の容積変化に時相のずれ、つまり同期不全が生じることを証明した(心不全37.6±4.1%vs.正常心15.9±4.8*、p<0.05vs.正常心:論文投稿中)。
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Research Products
(2 results)