2006 Fiscal Year Annual Research Report
心肥大から心不全への移行におけるエピジェネティックなクロマチン修飾の関与について
Project/Area Number |
18790500
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
杜 隆嗣 神戸大学, 医学系研究科, 医学研究員 (50379418)
|
Keywords | 心肥大 / 心不全 / エピジェネティクス / serum response factor(SRF) / ヒストン修飾 |
Research Abstract |
心肥大から心不全への移行においてserum response factor(SRF)による転写調節におけるヒストン修飾の関与について以下の如く検討を行っている。 1.心肥大誘導時に実際にSRFにより転写調節をうける遺伝子の同定 SRFを心筋特異的に過剰発現したマウスでは心肥大を呈した後、心不全となり、in vitroでは心肥大刺激によりalpha/beta-MHC, ANF, BNP, skeletal alpha-actin, c-fos, SERCA2, NCX1(Na^+-Ca^<2+> exchanger)などのSRF bindingsite(CArG box)を有する遺伝子の発現が誘導されることが知られている。まず我々は上記の遺伝子の中で心肥大時に実際にSRFにより転写調節をうけるものについて検討を開始した。in vitroでは新生児心筋細胞に伸展刺激を加え、SRF抗体によりクロマチン免疫沈降を行い、上記遺伝子についてreal time PCRで評価を現在行っている。またin vivoでは大動脈縮窄による圧負荷モデルを用いて負荷直後から心肥大期、さらに心不全期について同様の検討を開始している。現在、クロマチン免疫沈降法が実際に稼動することを確認する予備実験が終了した段階である。 2.SRFによる転写調節へのヒストン修飾の関与についての検討 さらに心肥大時のSRFによる転写活性がどの程度、エピジェネティックに調節をうけているのか、修飾ヒストン(H3 Lys4 di-methylation(H3K4dMe)およびH4 acethylation(H4Ac))に対し特異的な抗体を用いて同法により検討を開始している。
|