2006 Fiscal Year Annual Research Report
ブルガダ症候群における不整脈基質-臨床電気生理学的及び分子生物学的検討
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18790501
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
永瀬 聡 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (50397907)
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Keywords | Brugada症候群 / ST上昇 / 心室細動 / 植込み型除細動器 / 遺伝子検索 |
Research Abstract |
1.右室流出路心外膜側電位記録による検討 右室流出路心外膜側と心内膜側の電位を同時に記録することにより、Brugada症候群における特徴的な心電図波形の機序の一因として心外膜側心筋における活動電位持続時間の延長を証明し、この結果は2006年の日本循環器学会にて報告した。その後症例を増加し、この心外膜側心筋の活動電位持続時間と心筋ナトリウムチャネル遺伝子をコードするSCN5Aの変異有無との関係を検討し、この結果をまとめた論文を現在投稿予定である。 2.心筋ナトリウムチャネル遺伝子の変異と臨床所見そして心臓電気生理検査所見との関係に関する検討 Brugada症候群患者における心筋ナトリウムチャネルの遺伝子検索を80人に行い、遺伝子変異を認めた場合は機能解析を行い、臨床的特徴や電気生理検査所見そして薬物負荷試験の反応との関係を検討した。これまでナトリウムチャネルの遺伝子変異がBrugada症候群における心室細動発生の主要因と考えられていたが、あくまで一要素にすぎない可能性が示唆された。また遺伝子変異群の特徴を検討することにより遺伝子変異の有無を薬剤負荷試験によって高い感度・特異度で検出できることを明らかにした。また検討した各種項目を統計学的に解析することにより薬剤負荷試験の心事故予測因子としての高い有用性を明らかにした。これらの結果はAmerican Heart Association 2006そして日本循環器学会2007において報告した
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