2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790504
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宮田 敬士 Kumamoto University, 発生医学研究センター, 研究員 (50398228)
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Keywords | 動脈硬化 / 循環器・高血圧 / マクロファージ |
Research Abstract |
1.Abhd2遺伝子変異マウスを用いた解析 ApoEとAbhd2とのDouble KOを樹立した。Double KOとApoE KOマウスでは明らかな体重変化、表現型の変化を認めなかった。また動脈硬化病変解析を行うため、生後8週齢より高コレステロール食を開始し16週齢において大動脈弁輪部直上の大動脈および胸部〜腹大動脈の動脈硬化病変をoil red染色を行い病変部の解析を行った。Double KOマウスとApoE KOマウスでは明らかな差異は認めなかった。Abhd2は自然発症による動脈硬化に対する関与は低いと考えられた。またDouble KOマウスの内臓脂肪の重量がApoE KOマウスに比べ有意に増加を認めており、Abhd2は高コレステロール食負荷にて脂質代謝に関係している可能性が示唆された。 2.ヒトABHD2の役割の解析 マクロファージにおけるABHD2遺伝子の機能解析の為、ヒト単球・マクロファージの細胞株であるTHP-1にshRNA vectorを導入しABHD2 kockdown(KD)cell lineを樹立することができた。その結果、PMA添加後の分化に関しては、KD群はコントロール群に比べ明らかな差を認めなかったが、beadsの取り込みについてはKD群がコントロール群に比べ有意に増加していた。またMCP-1添加による単球遊走に関してはKD群がコントロール群に比べ明らかな遊走亢進を認めた。KD群にnormal ABHD2とmutant ABHD2を発現するプラスミドを導入し一過性発現させた場合、normal ABHD2は遊走能が低下したが、mutant ABHD2群はさらなる亢進を認めた。以上より、ヒトABHD2に関してはマウスAbhd2と同様に遊走能を制御する機能があり、更にphagocytosisにも関与していることが今回明らかになった。
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