2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790509
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
東條 美奈子 北里大学, 医学部, 助手 (80327345)
|
Keywords | 循環器・高血圧 / 細胞・組織 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究の目的は、IQGAP1が心臓リモデリングの課程においてどのような役割を果たしているのかについて明らかにすることである。今年度はsiRNAを用いた培養心筋細胞に対するIQGAP1遺伝子のノックダウンを行い、IQGAP1の心筋細胞/非心筋細胞(主に線維芽細胞)に与える影響を1.細胞形態・骨格に与える影響、2.心筋細胞の細胞死に与える影響、3.非心筋細胞の増殖・遊走に与える影響、についてラット新生仔培養細胞を用いて検討した。(2)Ad.IQGAP1.siRNAを用いた心筋細胞・非心筋細胞に与えるIQGAP1過剰発現の影響を1.細胞形態・骨格に与える影響、2.心筋細胞の細胞死に与える影響、3.非心筋細胞の増殖・遊走に与える影響について検討を行った。現在までの実験では、IQGAP1による影響については有意差のある結果が得られていない。考えられる点としては、まずテクニカル的な問題と思われるが、予想していた以上に培養心筋細胞に対するsiRNAの導入が難しく、安定したデータを得るには至っていない。そのため、現在は遺伝子導入に用いる試薬や導入法についての検討を行っている。さらにこれらの培養実験と並行してオスモティックミニポンプを用いた、アンジオテンシンII投与によるマウス心臓におけるIQGAP1の発現を検討している。肥大心筋においてIQGAP1の高発現を認めるが、そのシグナルについては明らかになっていない。IQGAP1の血管平滑筋における血管リモデリングの働きについては、IQGAP1が血管平滑筋の遊走・増殖・活性酸素産生に関わることが明らかになっており(未発表データ)、同様の効果が心臓においても行われるかどうかについて、肥大心筋におけるシグナル蛋白の発現を中心に解析中である。
|