2006 Fiscal Year Annual Research Report
コネキシン43細胞内ループペプタイドによるギャップジャンクション標的治療法の研究
Project/Area Number |
18790515
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
関 明子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80408608)
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Keywords | コネキシン43 / ギャップジャンクション / ペプタイド / 細胞内ループ / pHゲーティング |
Research Abstract |
細胞内アシドーシスによりギャップジャンクションチャネルが閉じる際、チャネルの単位蛋白であるコネキシン(Cx)43分子のカルボキシル末端(CT)が細胞内のレセプターと結合することがわかっている。現在、Cx43分子の細胞内ループの後半部分(L2領域)が、CTに対するレセプターの候補である。パッチクランプ法により、CT-L2結合の有無はチャネルのresidual state(r ; openとcloseの中間)の有無でモニターできる。Cx43を発現した培養細胞内に、L2と同じアミノ酸配列を持つ合成ペプタイド(L2ペプタイド)を導入したところ、チャネルのrへの移行率は、コントロールの61.2±1.2%に比べて、0.1mMのL2ペプタイド存在下で35.4±5.4%と減少し、CTと内因性のL2部分の結合をL2ペプタイドが競合的に阻害したことが示された。このことから、L2部分がCTに対するレセプターであることが示唆された。 更に、L2部分は2つのαヘリックス構造を含み、この構造に含まれる2つのヒスチジン残基(H142,H126)がCT-L2結合に重要であることを示すため、Upstate Medical UniversityのDelmar教授協力のもと、142番目のヒスチジンをグリシンに変異させた変異L2ペプチドのNMR構造解析を行った。その結果、2つのαヘリックスの構造が変化して、チャネルの電気生理学的性質の検討では、rへの移行率が減少していた。このことから、L2部分の立体構造が保たれていることがCT-L2結合には重要であり、ヒスチジン残基がその構造に重要な役割を果たすことが示唆された。 今後の研究では、αヘリックス中に存在する126番目のヒスチジン残基を他のアミノ酸に置換した変異体の電気生理学的性質の検討、また、L2ペプチドの生体内投与方法についての検討を行う予定である。
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