2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトES細胞を用いたRNA干渉技術による医用心筋細胞材料の開発
Project/Area Number |
18790523
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平岡 美奈 Kyoto University, 再生医科学研究所, 研究員 (40333356)
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Keywords | 心筋 / 分化 / RNA干渉 / ES細胞 / gain-of-function / loss-of-function |
Research Abstract |
本研究では、これまでにマウス胚性幹細胞(ES細胞)を用いて蓄積した経験を活かし、ヒトES細胞へと応用することによって、実用的な医用心筋細胞材料の開発を目指す。具体的には、ヒトES細胞を用いて、1)心筋細胞をin vitroで系統的に分化誘導できる技術を確立すること、2)分化誘導中においてRNA干渉(RNA interference, RNAi)による遺伝子発現抑制が行える実験系を構築すること、3)分化途上において誘導型の遺伝子過剰発現が行える実験系を構築すること、4)これらの分化誘導技術と遺伝子発現抑制技術を組み合わせて、ペースメーカー細胞、心室筋等、目的に応じた医用心筋細胞を開発することを目標としている。 平成18年度には、マウスES細胞において上記1-3の目的を達成した(Hiraoka-Kanie, et. al.2006)。また、ヒトES細胞についても、上記1の目的のために、まずは心筋への分化効率の高い細胞材料を選択した。遺伝子は種を超えて保存されている場合が多いため、平成19年度には、マウスにおける心筋分化関連遺伝子のスクリーニングを開始した。この分化過程において、RNAポリメラーゼIII型であるtRNAプロモーターからのshRNA発現が不安定であることが観察されたため、RNAポリメラーゼII型であるCAGプロモーターからの、Cre-loxpシステムによるmiRNA発現誘導型に切り替えた。また、細胞材料に関しては、マウスES細胞、ヒトES細胞だけでなく、マウスiPS細胞、ヒトiPS細胞についても条件検討を行った。以上のように、平成18-19年度までに、本研究の基盤となる方法論及び材料を確立した。
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