2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790524
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長井 桂 北海道大学, 大学病院, 医員 (40374293)
|
Keywords | 加齢 / 喫煙 / COPD |
Research Abstract |
近年、NADPH oxidase homologであるDual oxidase(Duox)が気道上皮にも存在することが示され、気道上皮細胞の過酸化水素産生能に寄与することが明らかになった。気道上皮を経気道的に擦過採取し、酸化還元関連物質の発現を各群で比較することによって加齢や喫煙、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の有無での差異を検討するため、実験1として健常若年者と中高年者の非喫煙者および喫煙者を対象に気管支鏡を用いて気管と4〜5次分岐の気管支上皮を採取し、Duox1とDuox2のmRNA発現を調べた。実験2として、手術肺組織からlaser capture microdissection(LCM)法を用いて細気管支上皮を、18ゲージ針で不必要な部分を除くことにより肺胞領域の細胞を採取し、非喫煙者、COPDのある過去喫煙者とない過去喫煙者で同様に比較した。その結果、若年者では気管および気管支上皮において、Duox1及びDuox2発現は喫煙者と非喫煙者間で差がなかった。中高年喫煙者では同年齢の非喫煙者と比べて気管上皮および気管支上皮両方でDuox1発現が有意に低下したのに対し、Duox2発現は有意に上昇した。細気管支上皮のDuox1発現は非喫煙者、COPDのない過去喫煙者と比べてCOPDのある過去喫煙者で有意に低下していた。細気管支上皮のDuox2発現は非喫煙者に比べCOPDのない過去喫煙者、COPDのある過去喫煙者共に低下していたが、COPDの有無ではDuox2発現に差を認めなかった。肺胞領域ではDuox1とDuox2両方とも3群間に有意な差を認めなかった。気道上皮および、肺胞領域におけるDuoxの発現は経年喫煙とCOPDに関連すると考えられた。
|
Research Products
(1 results)