2008 Fiscal Year Annual Research Report
内因性NOによる生理的および病的条件下での気道電解質分泌における調節機構
Project/Area Number |
18790526
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
玉田 勉 Tohoku University, 病院, 助教 (80396473)
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Keywords | 気道粘膜下線 / パッチクランプ / ACh / Nitric Oxide / NOS / cGMP / PKG |
Research Abstract |
本年度はこれまでに本研究によって明らかにされ報告してきた現象をさらに発展させるべく、引き続きブタ気道粘膜下腺を用いて気道分泌腺の電気生理学的解析を行った。細胞表面に刺入した微小ガラス電極で感知される電気信号を特定のイオン電流として記録し、細胞内NOがイオン電流を増強する方向に寄与していることを確認した。NOSのサブタイプ(eNOS, nNOS, iNOS)の確認についても同様の手法を用いてアプローチした。前述の電気生理学的解析の実験系において非特異的NOS阻害剤であるL-NAME 1mMを投与するとACh 30nMで刺激して確認されるイオン電流が減弱した。続いてnNOSの特異的阻害剤である7-NI 1mMを用いた場合も同様に減弱した。しかしながら完全には消失してはいないことから、電解質分泌の維持には細胞内のnNOSの活性化が重要であることが確認された。この抑制効果はACh 300nMという強力な刺激で生じるイオン電流に対しては認められなかったことから、生体内で行われている生理的な微弱な刺激下でのみ調節される機構であることも明らかとなった。我々は細胞内メカニズムを明らかにするために、PKGの阻害剤であるKT-5823 1μMおよびRp-8-Br-cGMP 1μMを用いたが、これらの場合もnNOS阻害剤の場合と同様に部分的にイオン電流を減弱した。このことから生理的分泌下における内因性NOの効果としては、nNOSの活性化の下流にあるPKGの活性化を介した情報伝達機構に至るまでの系が重要であることが確認された。以上の研究成果は、ヨーロッパ呼吸器学会年次総会にて発表した。
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Research Products
(2 results)