2006 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸器悪性腫瘍におけるTGF-βシグナル調節性E3ユビキチンリガーゼの役割
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18790555
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
鯉沼 代造 (財)癌研究会, 癌研究所生化学部, 研究員 (80375071)
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Keywords | 癌 / シグナル伝達 / 細胞・組織 / 発生・分化 / 発現制御 |
Research Abstract |
TGF-βシグナルを調節するE3ユビキチンリガーゼの呼吸器腫瘍学分野における役割を明らかにすることを目的として、平成18年度は以下の検討を行った。 1 肺組織や呼吸器悪性腫瘍におけるTGF-βシグナルを調節するE3ユビキチンリガーゼの発現: 7種の肺癌細胞株のmRNAからcDNAを作成し、ArkadiaをはじめSmurf1,Smurf2の発現を他の癌種と比較してrealtime PCR法により定量評価した。その結果E3リガーゼの種類によって、発現レベルがどの株でも同じものや、一部の株に発現の上昇が認められるものがあることが明らかとなった。またin situ hybridizationによる発現解析に向けてマウス肺組織切片の準備を行った。 2 肺癌細胞、悪性中皮腫細胞のTGF-β不応性へのシグナル調節性E3ユビキチンリガーゼの関わり 1で検討した肺癌細胞株についてTGF-β不応性とその既知のメカニズムの有無に関する文献調査を行った。 3 転移性肺癌モデルにおいてTGF-βシグナルに対しE3ユビキチンリガーゼが果たす/失う役割: BALB/Cヌードマウスへの乳癌細胞株MDA-MB231の尾静脈注射による肺転移実験系を用いて、転移性肺腫瘍と周辺肺組織のサンプルを得、今後のE3リガーゼの発現解析に向けてmRNAからcDNAを作成した。また免疫染色による肺組織でのE3リガーゼの発現部位の検討のため、ウェスタンブロッティングで内因性タンパクの検出が可能なSmurf1抗体で条件検討を試みたがSmurf1のsiRNAで消失するような特異的染色は得られなかった。loss of functionによるTGF-βシグナルへの影響を評価するため、Smurf1/2に対するmiRNA発現レンチウイルスベクターの作成を行いSmurf2についてノックダウン効果をウェスタンブロッティングで確認した。
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