2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790559
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
飯野 則昭 新潟大学, 大学院医歯学総合研究科, 特任助手 (10420308)
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Keywords | メガリン / non muscle myosin heavy chain / disable-2 / 免疫沈降法 / 質量分析 / モーター蛋白 / GST pull down |
Research Abstract |
1.平成18年度はメガリンを発現する培養細胞と抗メガリン抗体を用いて免疫沈降法を行い、得られたバンドを質量分析法で解析を行った。その結果non muscle myosin heavy chain IIA (NMHC-IIA)、actin、disable-2 (Dab2)などがメガリンと蛋白複合体を形成することを突き止めた。NMHC-IIAはactin上を移動するモーター蛋白であり、メガリンの細胞内輸送を調節する可能性のある初めての分子が同定された。NMHC-IIAはラットの腎臓では近位尿細管の管腔側にメガリンとほぼ一致した分布を示した。メガリンとNMHC-IIAがどのように作用しているかを調べる目的にメガリンの細胞質領域を含むGST融合蛋白(GST-MT)を作成した。NMHC-IIAをin-vitro translation法で合成しGST-MTを用いてpull downを実施したが、両者は直接結合しないことが判明した。そこでNMHC-IIAはどのようにメガリンと蛋白複合体を形成するかを検討する目的にGST-Dab2も用いてpull downを実施した。この検討の結果NMHC-IIAはDab2と結合し、メガリンとはDab2を介して結合していることが明らかになった。平成19年にNMHC-IIAの阻害薬であるblebbistatinを作用させメガリンのエンドサイトーシスがどのように変化するか検討する。さらに種々の疾患モデルを用いて、病的状態でのメガリン、NMHC-IIA、Dab2などの分布に変化が生じないかについて解析を行う予定である。 2.メガリンを発現する培養細胞にAngIIを作用させるとメガリンの発現が減少することが明らかになった。この機序を解明する目的にAngIIを作用させたあとのAT1受容体以下で起こる情報伝達経路を解析した。平成19年度にはメガリンの発現低下に関わる詳細な経路を明らかにし、メガリンの発現調節機構を明らかにしたい。
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