2007 Fiscal Year Annual Research Report
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18790559
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
飯野 則昭 Niigata University, 大学院・医歯学総合研究科, 特任助教 (10420308)
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Keywords | メガリン / non muscle myosin heavy chain IIA / disable-2 / 免疫沈降法 / 質量分析 / モーター蛋白 / GST pulldown |
Research Abstract |
1. 昨年メガリンを発現するラット培養細胞(IRPTC)ライセートと抗メガリン抗体を用いた免疫沈降法からnon muscle myosin heavy chain IIA(NMHC-IIA)がメガリンと蛋白複合体を形成していることを明らかにした。NMHC-IIAはアクチン上を移動するモーター蛋白であり、メガリンのエンドサイトーシス機構を解明するための突破口となることが予測された。本年はNMHC-IIAの阻害薬として知られているblebbistatinを培養細胞に添加し、メガリンのエンドサイトーシスに及ぼす影響を調査した。モノクローナル抗メガリン抗体を4℃で培養細胞に作用させると、細胞表面に発現しているメガリンをラベルすることができる。培養細胞を37℃の条件に戻すとラベルされたメガリンは速やかにエンドサイトーシスを開始し、約30分で細胞内のエンドソームに集積し、60分後にはラベルされた一部のメガリンは細胞表面へと再輸送される。この系を用いてblebbistatinの影響を検討したところ、ラベルされた一部のメガリンは培養細胞を37℃に戻したあとも細胞表面にとどまっていた。このことからNMHC-IIAはメガリンのエンドサイトーシスのごく初期に関わっている可能性が示唆された。平成20年度はNMHC-IIAと共同してメガリンのエンドサイトーシスを調節している分子群を抽出して、複雑なエンドサイトーシス機構の解明につなげたい。 2. アンギオテンシンIIを培養細胞(OK細胞)に添加するとメガリンの発現がmRNAレベル、蛋白レベルでともに低下することを発見した。この発現抑制はARBの投与により抑制された。さらにアンギオテンシンIIによるメガリン発現抑制はERKおよびPKC阻害薬の投与により解除され、PI3K阻害薬の投与では発現抑制が増強された。この培養細胞において、AT1a受容体以下のERK、PKC、PI3K系シグナルを介したメガリンの発現調節機構が明らかになった。高血圧による微量蛋白尿の発生機序などを考える上で興味深い知見であり、さらに検索を進めたい。
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Research Products
(1 results)