2006 Fiscal Year Annual Research Report
腎発生にかかわる遺伝子は腎障害の修復にも関与するか
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18790561
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥田 智彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (90360817)
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Keywords | 移植・再生医療 / 腎臓 / BMP |
Research Abstract |
腎発生に必須の因子であるBMP-7は、成体においても腎障害を軽減させるなど腎保護効果があることが知られている。現在までに、申請者の所属するグループにおいては、BMP-7およびBMP-4の、さらにいくつかのBMPアンタゴニストのコンディショナルノックアウトマウスを世界各地の共同研究者からすでに入手し維持・繁殖させている。本年度は、各種コンディショナルノックアウトマウスとInducible Creマウスとを交配させ生まれたマウスに実際にTamoxifenを投与し、成体でBMP-7あるいはBMP-4を欠失させたときの表現型を解析した。 BMP-7Flox/-;CreERT2マウスに、生後6週間からTamoxifenを100mg/kgBWの用量で1日1回、5日間連続で腹腔内に投与した。その後、8週齢になった時点で腎臓を摘出し、組織学的検討を行うとともに、RNAを抽出してReai-time PCRにて実際にBMP-7がどの程度ノックダウンされたか定量した。また同時に、腎機能として血清中クレアチニン(Cre)および尿素窒素(BUN)を測定する目的で採血を行った。 その結果、Tamoxifen投与により腎臓におけるBMP-7の発現量は野生型に対しおよそ10%〜20%まで低下した。現在、ノックダウン腎にシスプラチン投与・一側尿管結紮・虚血再灌流などの障害を惹起させたときの障害感受性について、線維化あるいは炎症マーカー遺伝子を指標に障害の程度の強弱を解析している。 また、BMP-4も腎尿路形成に重要な因子であることが知られている。腎形成において、どのようなタイミングでBMP-4シグナルが必要となるのか、胎児期のコンディショナルノックアウトマウスにtamoxifenを投与することにより明らかにできると考え、現在解析中である。
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