2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790567
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山本 浩範 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (60314861)
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Keywords | リン / FGF-23 / リン輸送担体 / 腎臓 / 遺伝子発現 / 転写因子 |
Research Abstract |
本研究では、我々独自のNaPi-IIa活性評価システムを用いてFGF-23作用に関わる分子の同定および活性化機構およびリン代謝を調節する分子ネットワークの解明を試みた。NaPi-IIa遺伝子の転写調節領域におけるFGF-23応答領域を同定するため、最もリン代謝研究に活用されており、またFGF-23応答性を示すとされているフクロネズミ由来腎近位尿細管細胞株(OK-P細胞)にFGF-23と結合するFGF受容体およびKlotho発現ベクター、そしてNaPi-IIa遺伝子転写調節領域を有するルシフェラーゼリポーターベクターを導入し、精製FGF-23刺激後、転写活性を測定した。その結果、本遺伝子プロモーター活性はFGF-23により最大60%低下した。そこで、様々なリポータベクターを作成しデリーション解析を行った結果、FGF-23による転写抑制には転写開始点上流約-800bpの領域および転写開始点近傍の領域が重要であることを見出した。興味深いことに、同定した上流約-800bpの領域(FGF-23応答領域;FGF23RE)にはAP-1結合エレメントおよびE-boxが存在していた。そこで、32Pで標識したFGF23REを含むDNA断片およびOK細胞からの核抽出液を用いてゲルシフトアッセイを行った結果、FGF-23刺激によりFGF23REへのタンパク結合産物の増加が確認された。また、同様に、食餌性リン(0.02%,0,6%,1.2%)投与により血清FGF-23値を変動させたマウスの腎臓より核タンパク質を用いた結果、FGF23REへのタンパク結合量はFGF-23値と相関する結果を得た。以上のことより、我々は、NaPi-IIa遺伝子の転写調節領域におけるFGF-23応答領域(FGF23RE)を同定し、FGF-23刺激に応答する結合タンパク質の存在を見出した。現在、この領域に結合する因子を同定するためFGF23REをビオチン化し、OK-P細胞より抽出した核蛋白質と反応させ、アビジンビーズを用いて応答配列に結合する因子群の精製を行っている。
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Research Products
(6 results)