2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790570
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
白石 直樹 熊本大学, 医学部附属病院, 医員 (40423660)
|
Keywords | プロスタシン / 腎線維化 / TGFβ / PN-1 |
Research Abstract |
私たちは、腎線維化における、セリンプロテアーゼの一種であるプロスタシンの役割について研究を行っているが、組織の線維化に中心的役割を果たすと考えられているTGFβが、プロスタシンの産生を著明に抑制する事を見い出した。 プロスタシンの活性を抑制する因子として、serpin(セリンプロテアーゼインヒビター)の一種であるPN-1(protease nexin-1)が報告されている。PN-1はプロスタシンに結合してSDS不溶性の複合体を形成し、プロスタシンの活性を非可逆的に阻害することが示されている。私たちは、TGFβがプロスタシンの産生を著明に抑制するのであれば、逆にプロスタシン活性を抑制するPN-1の産生がTGFβにより刺激されるのではないかと考え、検証した。 以前に私たちは、プロスタシンが上皮型Naチャネル(ENaC)を活性化させることを示している。まず私たちは、ENaCを発現させたアフリカツメガエルのoocyteを用い、プロスタシンにより活性化されたENaCによる電流が、PN-1の発現によって完全にブロックされることを示し、PN-1がin vivoにおいてもプロスタシンの活性を抑制することを示した。 次にreal time PCR法を用い、マウスの集合管由来の細胞であるM1細胞において、TGFβ1がPN-1の発現をmRNAレベルにおいて、約5倍に増加させることを示した。また、蛋白レベルにおいても、TGFβ1はPN-1の発現を約4倍増加させた。さらに私たちは、M1細胞において、PN-1の発現を抑制するshort-interfering RNAの導入がENaC電流を増加させることを示し、M1細胞でもPN-1がプロスタシンの生理作用を抑制することを示した。
|
Research Products
(2 results)