2006 Fiscal Year Annual Research Report
Tie2-Creマウスを用いた腎内皮細胞傷害・修復機構におけるNFκBの機能解析
Project/Area Number |
18790575
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
吉野 純 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80383777)
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Keywords | 進行性腎障害 / 遺伝子操作動物 / 血管内皮細胞 / NFκB / 心血管病変 |
Research Abstract |
本研究は、遺伝子操作動物を利用して、進行性腎障害における内皮細胞の傷害、再構築過程における特定の分子の機能解析を行い、その分子メカニズムを解明し、内皮細胞を標的とした新規治療法を開発することを目的として実施されている。 当初の研究計画に沿って、内皮細胞特異的Cre発現マウスであるTie2-Creマウスを、ジョージア医科大学のKoni博士(Koni PA et al. J Exp Med,2001)と、テキサス大学の柳沢博士Kisanuki Y et al. Dev Biol. 2001)より譲渡を受け、繁殖、系統維持を行っている。レポーターマウス(loxP-GFPマウス)と交配させたダブルトランスジェニックマウスの腎臓組織を評価し、腎臓内での内皮細胞(糸球体内皮細胞、間質の毛細血管網)での発現を確認した。またヒトの全長IκB-cDNAをクローニングし、このN末端の54アミノ酸を欠損させたドミナントネガティブフォームであるIκBdN-cDNAを作成し、Cre recombinase存在下にloxPにはさまれたストップ遺伝子(neo)が外れ、IκB-dNを発現するloxP-IκBdNマウスの作成を終え、2系統を確立している。現在は、これらのマウスの交配を開始し、Tie2-IκBdNマウスを作成中である。また、心筋特異的Cre発現マウスとも交配を行い心血管系の病態進展におけるNFκBが果たす役割の幅広い解明に向けて研究を進行させている。
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