2006 Fiscal Year Annual Research Report
直流電流刺激を用いたジストニアの運動感覚連関の解明と治療法の開発
Project/Area Number |
18790597
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
緒方 勝也 九州大学, 大学院医学研究院, 助手 (50380613)
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Keywords | 経頭蓋直流電流刺激 / 感覚誘発電位 / 運動感覚連関 |
Research Abstract |
目的:近年、経頭蓋直流電気刺激(tDCS)が、非侵襲的に大脳皮質の機能を変化させることが注目されている。すなわち一次運動野刺激により運動誘発電位が陽極刺激で上昇、また皮質感覚誘発電位(皮質SEP)でも運動野陽極刺激で振幅が上昇するといった報告がなされており、一方感覚野刺激陰極刺激では振幅が低下した報告がなされているが、刺激部位・極性による効果を直接比較した報告はない。今回我々はtDCSの刺激部位による皮質SEPの変化を検討した。 方法:健常成人10名を対象に、正中神経刺激(刺激間隔800±200ms、300回加算)を行い、国際10-20法におけるF3,F4,C3',C4'に記録電極を置き、A1+A2を基準としてSEPを記録した。tDCSはC3より2cm前方(運動野近傍)もしくは後方(感覚野近傍)に4×4cmの刺激電極を置き、他方は右眼窩上に置いた。刺激強度は1mA、持続15分とした。経時的(tDCS前、直後、10分後、20分後、30分後)にSEPを記録し、各成分の潜時と頂点間振幅の変化を分析した。 結果:N20振幅が運動野刺激-感覚野刺激間で有意差を認めた。潜時は変化しなかった。また他の成分の潜時、振幅には有意な変化はなく、陽極刺激と陰極刺激による差もなかった。 考察・結論:tDCSは刺激電極の極性に関わらず運動野刺激により感覚野は興奮性となり、感覚野刺激では抑制性となることが示唆された。またN20は3b野に入力する時のEPSPを反映していると考えられており、この部位がtDCSで修飾されたことが推察された。
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