2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790600
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
船越 慶 獨協医科大学, 医学部, 助手 (50406188)
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Keywords | Fisher症候群 / Campylobacter jejuni / 抗GQ1b抗体 |
Research Abstract |
Fisher症候群の2割で、Campylohacter jeiuni腸炎が先行する。患者から分離されたC. jejuni (CF93-6株)のLOSを分析したところ、GQ1bそのものではなく、GQ1bに類似したGT1a様構造が確認された。また、C. jejimi (PG836株)はGDlc様Losを、C. jejuni (OH4382株)はGD3様LOSを有することが明らかにされている。C. jejuni腸炎後Fisher症候群は、こうしたLOSを有するC. jejuniに感染し、交叉反応性に抗GQlb抗体産生が誘導されて、動眼神経や1次感覚ニューロンに発現しているGQ1bに結合して、発症すると考えられている。 モノクローナル抗GQ1b抗体とパルプアルブミン(深部感覚をつかさどる大型ニューロンのマーカー)に対する抗体を組み合わせて2重染色で検討したところ、GQ1bが一部の大型ニューロンに発現していることをすでに確認した。 Fisher症候群(FS)のウサギモデル樹立に際して、予備実験にGC33(GD1c様LOSを有するFS患者由来株)の菌体を用いた。1羽当たり菌体粗抽出物200mgを蒸留水に溶解して計750μlとし、同量の不完全Freundアジュバントを加えエマルジョン化したものを4羽に3週おきに感作した。3回感作後に1羽で抗ガングリオシド抗体価が上昇し、体重減少、四肢麻痺を呈した。このウサギの前根、後根では軸索変性はなかった。 次に、GQ1b500μgにkeyhole lympet hemocyanin 1mgと完全Freundアジュバントを12羽に3週おきに感作した。3回感作後に3羽でIgG抗GQ1b抗体の上昇がみられ、うち1羽では4回感作後に体重減少、四肢麻痺を呈した。このウサギの前根、後根には捕体の沈着はみられなかった。
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