2007 Fiscal Year Annual Research Report
Gタンパク質共役型酸化LDL受容体のクローニングと動脈硬化症における役割
Project/Area Number |
18790621
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
井上 和彦 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (30363641)
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Keywords | Gタンパク質共役型受容体 / 酸化LDL / 血管内皮細胞 / 平滑筋細胞 / マクロファージ / 脂質 |
Research Abstract |
Gタンパク質共役型受容体(G protein-coupled receptor;GPCR)のうち、次の2群から約60種類のターゲットを選び出した。 (1)リガンドが脂質であると同定されたもの (2)リガンド未同定のオーファンGPCRのうち、脂質をリガンドとする既知のGPCRとホモロジーは高いもの、もしくは進化系統樹で脂質をリガンドとする既知のGPCRと同じ集団に入るもの 正常ヒト血管内皮細胞、正常ヒト平滑筋細胞、ヒト単球系細胞THP-1をphorbol 12-myristate 13-acetateで刺激してマクロファージへ分化させた細胞に対して、あらかじめ選び出したGPCRの発現をRT-PCRおよびreal time PCRで調べた。その結果、それぞれの細胞における発現が高かったGPCRをGタンパク質共役型酸化LDL受容体の候補とした。これらGPCRの全長cDNAをPCRで単離・精製し、哺乳類細胞発現用ベクターに組み込んでコンストラクトを作製した。このコンストラクトをCHO-K1、COS-7、HEK293細胞に遺伝子導入して、Gタンパク質共役型酸化LDL受容体の候補となったGPCRの強制発現細胞株を作製した。 この強制発現細胞株を使って蛍光標識した酸化LDLの取り込み活性を評価した結果、数種類の細胞株でコンストラクトを遺伝子導入していない対象群と比べて優位な活性が見られた。さらにこの細胞について、シグナル伝達の指標となる酸化LDLを添加した時のcAMPの産生量やCa^2+濃度の変化を調べたところ、対象群と比べて優位な活性をもつものは得られなかった。 現在、「研究実地計画」で記載した対応策として、Gタンパク質共役型酸化LDL受容体として最初に選ぶGPCRの対象範囲を広げて、発現確認、全長cDNAのコンストラクト作製、遺伝子導入、酸化LDLの取り込み活性の評価をやり直している。
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