2007 Fiscal Year Annual Research Report
自家末梢血単核球細胞移植を用いた糖尿病性末梢神経障害および足病変への治療
Project/Area Number |
18790628
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
長谷川 隆正 Kansai Medical University, 医学部, 助教 (90351535)
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Keywords | 末梢血単核球細胞移植 / 糖尿病性末梢神経障害 / 糖尿病性足病変 |
Research Abstract |
糖尿病性末梢神経障害と同足部潰瘍症例へ浸襲性の低い自家末梢血単核球細胞分画移植治療 対 象:明らかな慢性閉塞性動脈硬化症を認めない難治性の糖尿病性下肢末梢神経障害および足部潰瘍、各種内服、点滴静注などの既存の薬剤、免荷や局所の処置にてコントロール不能でQOLが障害されている症例。 性別:男性および女性(妊娠中および妊娠の可能性のある女性を除く) 年齢:原則として20歳以上80歳未満。 適応除外事項:悪性新生物を有する患者及び3年以内にその既往のある患者、糖尿病性網膜症不安定期の患者、インフォームドコンセントを得られない患者、その他主治医が不適当と判断した患者。 今年度(平成19年)上記の治療に適応となりそうな症例を2例中1例(重度の糖尿病性末梢神経障害を有する患者)に移植治療を行いました。移植は左下腿・足背・足底に合計30ヶ所筋肉注射を行いました(単核球細胞数:0.67X10^<10>個)。非移植肢には同量の生理食塩水を同部位に筋肉注射を行いました。評価として(1)NCV(神経伝達速度)(2)組織酸素分圧(Tcpo^2)(3)タッチテストスコアー(T.S.)(4)振動覚(C64音叉)(4)visual analogue scale (VAS)(5)足部MRアンギオを移植前・2週間後・4週間後に施行しました。 上記検査のうち改善傾向を示したものを以下に示します。 Tcpo^2(左足背):移植前23mmHg→2週間後66mmHg→4週間後64mmHg T.S.:移植前1.56→2週間後1.89→4週間後2.78 振動覚(左内顆):移植前2→2週間後3→4週間後3 VAS:移植前2点→2週間後2点→4週間後1点 しかしこれらの項目のうち、T.S.とVASは非移植肢でも同様に改善傾向が認められました。また、糖尿病性末梢神経障害の評価に最も重要なNCVに関しては全く改善していなかったことより、今回の移植療法は無効と判断しました。
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