2006 Fiscal Year Annual Research Report
生殖腺と脳下垂体特異的遺伝子発現調節領域の解析を基盤とする性分化異常症の解明
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18790644
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
嶋 雄一 基礎生物学研究所, 性差生物学研究部門, 特別協力研究員 (80425420)
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Keywords | 生殖腺 / 脳下垂体 / 発生 / 転写 / エンハンサー / Ad4BP / SF-1 / Leydig細胞 / 性分化異常症 |
Research Abstract |
1.トランスジェニックマウスを用いて、Ad4BP/SF-1遺伝子の生殖腺特異的な転写調節領域を探索した結果、5'上流領域のなかでも、これまでに報告のあったプロモーター領域の、さらに約5kb上流に、胎児期のLeydig細胞に特異的な発現を誘導する活性を持つDNA断片を同定することができた。この断片によって誘導されるLacZの発現は、胎齢13.5日以降のオス生殖腺の間質に認められ、Leydig細胞のマーカーである3beta-HSDとの二重免疫染色により、Leydig細胞に特異的な発現であることを証明した。現在、このエンハンサー領域が、成獣においてもLeydig細胞に発現を誘導するかどうかを検討している。さらに、エンハンサー領域の塩基配列を詳細に解析することにより、Leydig細胞におけるAd4BP/SF-1遺伝子の発現調節機構の解明を目指している。 2.脳下垂体に関しては、既に我々が同定しているエンハンサー領域の解析から、bicoid-related homeoproteinに分類されるPitx2が、エンハンサーとの結合を介して、直接的にAd4BP/SF-1の転写を活性化していることが証明され、現在投稿準備中である。さらに、Pitx2結合配列以外にも、このエンハンサーの内部に、機能的に重要な配列(コア・エレメント)を同定したので、現在酵母one-hybrid法を用いて、これらの配列に結合可能な転写因子のスクリーニングを行っている。 3.転写調節機構の破綻を病因とする性分化異常症の存在を予想して、Hypogonadotropic hypogonadism患者由来のゲノムDNAを用いて、脳下垂体特異的エンハンサー領域の変異検索を行っているが、現在までのところ、変異は検出されていない。今後、さらに多数の患者のゲノムを対象に、解析を続ける予定である。
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