2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規オーファンGPCRリガンドの探索と機能解析による新たな内分泌調節機構の解明
Project/Area Number |
18790645
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
森 健二 国立循環器病センター(研究所), 生化学部, 室員 (00416223)
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Keywords | オーファンGPCR / 内因性リガンド / 神経ペプチド / 生理活性ペプチド / 内分泌 |
Research Abstract |
多くの生理活性ペプチドは細胞表面に存在するGタンパク質共役型受容体(GPCR)を介して情報を伝達する。現在では内因性リガンドが不明なオーファンGPCRが多数報告されており、本研究ではこれらのペプチド性リガンドを同定し、機能解析することにより新たな内分泌調節機構を解明することを目的とする。本年度は下記の研究を遂行した。 1.新規生理活性ペプチドの活性検出法の構築 下垂体で顕著に発現しているオーファンGPCRのcDNAをクローニングした後、CHO及びHEK293細胞にて恒常的に発現させた。オーファンGPCRへリガンドが結合することにより変動する細胞内カルシウムイオン濃度及びcAMP濃度を、それぞれFLIPR及びFusionαシステムにて測定する実験系を構築した。また、2次メッセンジャーの種類に関わらず活性を検出するため、オーファンGPCRをFLAG標識して細胞内動態(インターナリゼーション)を観察できる系を構築した。 2.新規生理活性ペプチドの探索 本研究で対象としたオーファンGPCRは下垂体で顕著に発現しているため、視床下部を用いて内因性リガンドとなる新規生理活性ペプチドの探索を試みた。50頭分のブタ視床下部からペプチド画分を抽出した。このペプチドを強塩基性、弱塩基性画分に分離した後、ゲルろ過クロマトグラフィーに供した。このサンプルを用いてオーファンGPCRを活性化させるペプチドを探索したが、特異的な活性は検出できなかった。成長ホルモンの分泌を制御するグレリンは胃で産生されている例もあるため、ラット胃、小腸などからペプチド抽出を試みている。 3.両生類のニューロメジンS(NMS)の同定 これまでに哺乳類でNMSという新規ペプチドを発見しているが、両生類にも存在することを明らかにした。また、哺乳類のNMSは強力なプロラクチン分泌抑制活性を有することを明らかにした。
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