2006 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン刺激による正常ヒト造血幹細胞の細胞運動の分子機序解明
Project/Area Number |
18790662
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
加藤 隆幸 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (50343413)
|
Keywords | 細胞骨格 / 造血幹細胞 / 細胞内シグナル伝達 / サイトカイン / RhoエフェクタROCK / MAPKファミリー / 細胞運動 / 低分子量G蛋白質Rho |
Research Abstract |
申請者は、造血幹細胞が多数占める正常ヒトCD34陽性細胞がサイトカインのSCFにより偽足形成を起こすことを見いだしている。しかし、TNF及びGM-CSFではこの現象は起こらない。運動しないと考えられているCD34陽性細胞が特定のサイトカインで運動能を獲得することを示している。共焦点レーザー顕微鏡で偽足構造はF-actinから成ることを示した。アクチン細胞骨格の再構築がCD34陽性細胞の形態変化に関与し、更には細胞運動にも関与すると考えられる。Ras類似低分子量G蛋白質Rhoはエフェクター分子であるROCK及びmDia1を介してアクチン細胞骨格を制御し、細胞運動・細胞接着・細胞形態変化に関与する。CD34陽性細胞の運動、特にF-actinから成る細胞構造体形成におけるRho及びRho関連分子の機能解析を進めている。生きた細胞め運動解析の実験系をCD34陽性細胞に至適化するため、ヒト末梢血好中球を用いて諸条件の検討を行った。サイトカイン添加により好中球が細胞運動を開始した。ビデオ顕微鏡を用いて好中球のサイトカインによる細胞運動能の経時変化を解析した。MAPK阻害剤、ROCK阻害剤、PI-3kinase阻害剤、抗インテグリン抗体で細胞運動が障害された。このことはMAPK、ROCK、PI-3kinase及びインテグリンが好中球の細胞運動に深く関わることを示唆している。
|
Research Products
(3 results)