2006 Fiscal Year Annual Research Report
急性骨髄性白血病抗原に対する網羅的探索と新規抗体療法開発のための基礎的研究
Project/Area Number |
18790665
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
山本 幸也 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (90410703)
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Keywords | 急性骨髄性白血病 / 抗体療法 / ファージライブラリー |
Research Abstract |
A:急性骨髄性白血病(AML)抗原スクリーニング:AML(M4)初診患者検体をサンプルにしてAIMSライブラリーからスクリーニングを行った。 190クローンをピックアップし、153個の遺伝子配列を調べた。78個の独立したクローンが得られた。その内32クローンの塩基配列は3種類からなるALCAM/CD166に対する抗体、5クローンがであったMCP/CD46であった。癌腫別細胞株を用いた組織特異性の検討から10種類が汎細胞株特異的、10種類が血液細胞特異的、13種類がAML細胞株特異的に結合することをELISA、FACSで確認した。結合力の高い抗体について抗原を調べるために順次、免疫沈降法により抗原の精製、ペプチドシークエンスによる蛋白同定を行った。83-176,73-16はCD93(C1qRp/AA4)が抗原であることをCD93強制発現系にて確認した。CD93は骨髄球、単球、血管内皮、造血幹細胞で発現していることが知られているが、このCD93scFv抗体でも末梢血の顆粒球、単球が陽性になることを確認した。また精製したCD93scFv抗体はmonomerであるが単球系AML細胞株を分化は起こさないものの細胞を凝集させ、軽度ではあるが増殖を抑えた。(株)抗体研にIgG型モノクローナル抗体作製を依頼しており今後、生理的活性(増殖抑制、アポトーシス、補体依存型細胞障害、細胞依存型細胞障害)があることを検討する。白血病など血液疾患での発現レベルを検討し治療に向けた分子標的の候補となりうるかを検討する。83-73はAML細胞株、末梢血白血球特異的に結合することを確認し免疫沈降を行ったがラダー状になり特定が困難であった。このため免疫沈降の条件を検討中である。B: CD44抗体は白血病細胞株を分化させ、増殖を抑えることが知られている。肺がんよりCD44scFv抗体が得られたため白血病細胞株での分化、増殖に対する影響を検討したが明らかな効果は認められなかった。IgG型モノクローナル抗体作製後に再検討する。C:受容体型チロシンキナーゼFLT3抗体作製:293T細胞で高発現するベクターとFLT3細胞外ドメイン分泌型ベクターを作製した。これを用いてAIMSライブラリーからスクリーニングを行っている。FLT3シグナル依存性細胞を用いて増殖抑制、MAPK, STAT系などのシグナル伝達の変化、分化抑制、アポトーシス抑制を解析する。
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