2006 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞による抗原特異的制御性T細胞の誘導を介した臓器特異的免疫抑制療法の開発
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18790686
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
平田 真哉 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 助手 (60418829)
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Keywords | マウスES細胞 / 樹状細胞 / 制御性T細胞(Treg細胞) / 実験的自己免疫性脳脊髄炎 / NODマウス / TRAIL |
Research Abstract |
1.MOG特異的な制御性T(Treg)細胞株の樹立と、これを利用したEAE(実験的自己免疫性脳脊髄炎)の発症抑制 MOGペプチドとアジュバントを用いてEAEを発症させたマウスの回復期より回収したCD4^+CD25^+Treg細胞と、放射線照射で増殖を抑制したTRAILとMOGペプチドを発現するES-DC-TRAIL/MOG、あるいはMOGペプチドのみを発現するES-DC-MOGを、IL-2の存在下で共培養して、in vitroにおいてMOG特異的なTreg細胞の誘導を試みた。放射線照射したES-DCを用いて1週間ごとに繰り返し刺激を行ったところ、ES-DC-TRAIL/MOGで刺激した場合にのみ、Treg細胞は増殖反応を示した。このTreg細胞は、1〜2回の刺激では、十分な抑制作用とTreg細胞のマーカー分子となるfoxp3の発現が認められたが、複数回の刺激により次第に抑制能力とfoxp3の発現が低下していた。このため、今後、Treg細胞としての性格を維持できる長期培養の条件を再検討し、増殖したTreg細胞によるEAEの発症抑制が可能かどうか検討する予定である。 2.NODマウスにおける遺伝子導入ES-DCによる糖尿病の発症抑制 九州大学医学部保健学科病態情報学 永淵正法先生より、NODマウスから樹立されたES細胞をご恵与いただき、このNOD-ES細胞を樹状細胞に分化誘導したところ、これまでと同様に分化誘導できた。また、このNOD-ES-DCを放射線照射で増殖を抑制した後、アロジェニックなC57BL/6由来のT細胞と共培養したところ、T細胞の増殖反応が認められ、T細胞刺激活性を確認した。今後、このNOD由来のES細胞に、抗原分子として、膵島β細胞に発現するGAD65とTRAILやPD-L1などの免疫抑制分子の遺伝子導入を予定している。
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Research Products
(2 results)