2006 Fiscal Year Annual Research Report
葉酸受容体βを介した葉酸の細胞内輸送機構の解明と抗炎症作用を示す葉酸誘導体の開発
Project/Area Number |
18790687
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
永井 拓 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (90363647)
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Keywords | マクロファージ / 関節リウマチ / 葉酸拮抗剤 |
Research Abstract |
葉酸受容体にはαとβの二種が存在し、αは上皮系のがん細胞で、βは急性骨髄性白血病や単球由来の細胞で発現する。葉酸受容体αを用いた葉酸取り込みのメ力ニズムについては、エンドソーム内に取り込まれたのち、5メチルチトラヒドロ葉酸に還元後、細胞増殖のための核酸合成などに利用される。しかしながら増殖性を示さないマクロファージにおける葉酸の機能については殆ど明らかとなっていない。 本年度は葉酸受容体β発現細胞を用い、葉酸の取り込みに伴う炎症反応への影響を検討した。これまでに申請者らはヒト由来の細胞株について葉酸受容体βのstable transfectantを4株所有レているが、マウスin vivoにおける解析を行うため、新たにマウス血球由来B300-19に葉酸受容体βの遺伝子導入を行ってstable transfectantを作成した。 これら細胞株を用いて低濃度(10nM)あるいは高濃度(10uM)の葉酸を含有した培養条件におけるmRNA合成量、ホモシスチン量、5-メチルデトラヒドロ葉酸量の増減を検討した。その結果、高濃度葉酸含有培地において葉酸受容体β発現細胞は非発現細胞に比べ、mRNA合成量、5-メチルテトラヒドロ葉酸量、一酸化窒素量が増加した。 現在、詳細な影響を調べるために一酸化窒素合成酵素の活性化を検討中である。また、上記の実験系は申請者が合成中の抗炎症作用を示す葉酸類似物(10-nitrofolateとその誘導体)のスクリーニングアッセイに用いる事を予定している。
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Research Products
(1 results)