2007 Fiscal Year Annual Research Report
デコイ核酸による炎症性疾患治療用炎症標的遺伝子ベクターの開発
Project/Area Number |
18790691
|
Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
服部 喜之 Hoshi University, 薬学部, 講師 (90350222)
|
Keywords | リウマチ / アトピー性皮膚炎 / NFκBデコイ核酸 / 葉酸受容体 / 脂質微粒子遺伝子ベクター / 活性化マクロファージ / 炎症性サイトカイン / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
リウマチ疾患においては、炎症部位において集積した活性化マクロファージから炎症性サイトカインが産生・分泌され、炎症が持続すると考えられる。炎症性サイトカインの発現には、転写因子であるNFκBが重要な役割をしており、炎症性サイトカインの発現を誘導する転写因子として働く。NFκBデコイ核酸は、NFκBと特異的に結合するオリゴDNAで、特異的にNFκBと結合して転写阻害作用を持つ。昨年度、葉酸修飾した非ウイルス性の炎症標的遺伝子ベクター(葉酸修飾ナノ粒子)を開発した。そして、NFκBデコイ核酸を活性化マクロファージに、葉酸受容体を介して選択的に導入できることを明らかにしている。今年度は、葉酸修飾ナノ粒子による抗炎症効果と安全性をin vitro及びin vivoで評価することを試みた。葉酸修飾ナノ粒子よりNFκBデコイ核酸を導入したマクロファージRAW264.7細胞では、核内へのNFκB移行を阻害できた。さらに、マクロファージ培養細胞を用いて葉酸修飾ナノ粒子の細胞毒性を評価したところ、葉酸修飾ナノ粒子は細胞毒性をほとんど示さなかった。in vivoでの評価のため、炎症性疾患モデル動物としてアジュバント誘導炎症モデルマウス(関節リウマチモデル)を作製し、葉酸修飾ナノ粒子を用いてNFκBデコイ核酸を患部に投与し、抗炎症作用を観察することを試みた。アジュバントにより誘導されたマウスの炎症部位をMRIで撮像し、治療効果の評価を行ったが、炎症部位をMRIで明確に判断することは難しく、明確な治療評価のためには血液中のTNF-αなどの炎症性マーカーの濃度測定が必要であると考えられた。
|