2006 Fiscal Year Annual Research Report
ノックアウトマウスを用いた胎生期部位特異的発現新規遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
18790703
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邉 徳光 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80401264)
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Keywords | ノックアウトマウス / non-coding RNA / 間葉系細胞 |
Research Abstract |
1)Hag2遺伝子の胎生期の発現様式 われわれは以前に、Hag2遺伝子の内因性の発現をwhole embryoについてin situ hybridization法を用いて検討を行い、胎生期に鰓弓、顎、肢芽、体節に発現することを確認している(未発表)。この遺伝子の発現および機能解析を目的として、われわれはHag2欠損部位にβ-galactosidase遺伝子をノックインさせたマウスの作製に着手し成功した。このHag2遺伝子欠損ヘテロマウスを用いてβ-gal染色を行うことにより、Hag2遺伝子の胎生期の発現様式について詳細に明らかにすることができた。まず、whole embryoについでは、E9.5からβ-gal染色陽性細胞が認められ、その発現部位はほぼin situ hybridization法で認められた発現部位と一致していた。切片にて詳細に検討を行った結果、全身のほぼあらゆる間葉系細胞で発現を認め、逆に内胚葉あるいは外胚葉由来の細胞群では発現がほぼ完全に認められなかった。 2)Hag2ホモマウスにおける表現型の解析 ヘテロマウス同士の交配を行ったところ、メンデルの法則に従えば4分の1の確率でホモマウスが得られるはずであったが、交配を重ねたところホモマウスの発生率は予想を下回っていた。また、ホモマウスは明らかに体格が小さく、体重は野生型の6割程度であった。胎生期の胎児の遺伝子型を確認してみると、出生直前までメンデルの法則は保たれており、出生後に死亡するマウスが存在することが明らかになった。今後、表現型の詳細な解析およびその機序について検討していく予定である。
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