2006 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変NK細胞を用いた、白血病・リンパ腫に対する新たな治療戦略の開発
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18790706
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
今井 千速 新潟大学, 医歯学系, 助手 (90419284)
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Keywords | NK細胞 / 遺伝子導入 / 細胞療法 / Chimeric receptor / 白血病 / リンパ腫 / 造血幹細胞移植 |
Research Abstract |
ヒトNK細胞のLifespanを延長する因子の選定するために、いくつかの候補遺伝子のクローニングを行った。機能解析が最もすすみ、サイトカイン療法にもすでに応用されているインターロイキン(IL)・2の発現ベクターは既に構築済みであった(pMSCV-IRES0GFPベクターを使用)。Packaging cellとしてはヒト由来細胞株293Tを使用し、ヘルパーベクター(pEQ-PAM3-E)、エンベロプ産生ベクター(pRDF)と同時にtransfectionを行い、3プラスミッドシステムでレトロウイルスを作成した。ヒトprimary NK細胞への遺伝子導入は高い効率で成功し(40-50%前後の導入率)、遺伝子導入後のcell expansion, viabilityはコントロールベクター導入NK細胞に比較して増強した。また、今後のウイルス大量調整に向けて、ヒトprimary immune cellへの高率の遺伝子導入が可能と報告されている10A1エンベロプを産生するPT67細胞株を入手し、permanent producer cell lineの作成を試みた。PT67はマウス由来の細胞のため、この細胞への遺伝子導入はVSVGエンベロプによりレトロウイルス液を作成し使用した。複数回の遺伝子導入により、遺伝子導入の指標であるGFPはほぼ100%陽性となった。産生されるウイルス液のタイターは0,5〜1.0x10e5/mlと比較的低く、今後サブクローニング、あるいはさらなる遺伝子コピー数の増加(遺伝子導入を繰り返す)が必要と思われた。これと平行して、IL-7、IL-15の遺伝子をPCRクローニングした。具体的には、human spleen cDNA libraryをtemplateとして、TAベクターを使用して目的の遺伝子をクローニングした。引き続き、pMSCV-IRES0GFPベクターのEcoRI、XhoI制限酵素サイトを利用して、目的の遺伝子断片をサブクローニングし、レトロウイルス発現ベクターを完成した。今後、この2つの発現ベクターを用いて、transient expression(293T)のシステムで、十分なタイターのレトロウイルス溶液を調整し、ヒトNK細胞への遺伝子導入を行い、NK細胞の生存延長、体外での細胞増幅、活性化、サイトカイン産生、NK-sensitive target(K562やU937など)に対するcytotoxicityなどについて、3者間で比較検討する予定である。
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Research Products
(2 results)