2007 Fiscal Year Annual Research Report
高親和性IgE受容体β鎖の機能解析とシグナル伝達の解明
Project/Area Number |
18790709
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
寺田 知新 Gifu University, 大学院・医学系研究科, 助教 (30345780)
|
Keywords | 高親和性IgE受容体 / シグナル伝達 / アレルギー |
Research Abstract |
野生型FcεRI(高親和性IgE受容体)β鎖およびβ鎖C末端領域の6アミノ酸を欠失させたβ鎖変異体に加えてβ鎖C末端領域から1アミノ酸ずつ欠失させたβ鎖変異体(5種類)を,β鎖ノックアウトマウス由来の骨髄培養マスト細胞に導入し,FcεRIβ鎖C末端領域の機能解析を行った。また,β鎖C末端領域の43アミノ酸に関して野生型およびβ鎖変異体(6種類)とGSTとの融合タンパク質を作製し,構造学的側面から検討を加えた。 1. 6アミノ酸を欠失させたβ鎖変異体では,脱顆粒反応の低下に加えて,IL-6やIL-13といったサイトカインの産生も著明に低下していた。さらにロイコトリエンなどのケミカルメディエーターの産生も著明に低下していることを明らかにした。一方,1アミノ酸ずつ欠失させたβ鎖変異体(5種類)ではいずれも野生型に比べて著明な変化は認められなかった。 2. すべてのβ鎖変異体で,IgEとの結合能は正常で,マスト細胞のシグナル伝達に重要な役割を果たすLynやSyk,JNK(c-jun N-terminal kinases),p38などのリン酸化には有意差は認められなかった。FcεRIを介するシグナル伝達に重要であるCa^<2+> influxについても野生型とすべてのβ鎖変異体において有意差はなかった。 3. β鎖C末端の6アミノ酸に会合する分子は同定されなかった。 4. 円二色性分光法によりβ鎖C末端領域の二次構造を解析したが,野生型およびすべての変異体はα-helix構造をとり,すべての変異体で構造の崩壊やヘリックス含量の低下は認められなかった。
|
Research Products
(2 results)