2006 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザ脳症発症におけるミトコンドリアの脂肪酸代謝障害の役割の解析
Project/Area Number |
18790724
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山田 博司 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (30343304)
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Keywords | ウイルス / インフルエンザ / 脳症 / ミトコンドリア / 脂肪酸代謝障害 |
Research Abstract |
現在までに、熱性痙攣やインフルエンザウイルス感染に伴って重積した痙攣や意識障害などの既往歴のある患者に対して、SNPs解析を行い、特にミトコンドリアでの長鎖脂肪酸代謝に関わるCPT2遺伝子における変異が酵素活性の低下を引き起こし、ATP産生の低下、ミトコンドリアの機能障害などの細胞障害性を誘発することで、インフルエンザウイルス感染の増悪化の原因となっていることを見出してきた。そこでこのCPT2に着目し、インフルエンザ脳症の患者で実際に見っかり、酵素活性の低下が確認された遺伝子変異を細胞に導入し、変異CPT2を発現する細胞を作製し、この細胞において、血液脳関門を構成する蛋白質の発現の変化、インフルエンザウイルス感染、鎮痛解熱剤に対する細胞膜透過性の変化、インフルエンザウイルス感染におけるTNF-αなどのサイトカインに対する応答性、ミトコンドリアの機能障害、プラスミン、ミニプラスミンによる細胞障害性の変化を検討することによって、インフルエンザウイルス感染による脳症を発症させる機序を明らかにする目的で研究を進めている。 平成18年度には、SNPs解析をさらに進めた。インフルエンザ脳症患者より、ゲノムDNAを抽出し、ミトコンドリアでの脂肪酸代謝に関わるCPT2とβ-酸化に関わる3種の酵素複合体のプロモーター領域、蛋白質をコードする領域をPCRで増幅し、塩基配列を網羅的に決定し、得られた配列情報を健常者グループの配列と比較して、危険因子となりえるSNPsを検討した。その結果、新たなCPT2のSNPを発見し、細胞にトランスフェクトすることで、熱(41℃)に対し、不安定であることを発見した。 また、インフルエンザ脳症の患者で実際に見つかり、酵素活性の低下が確認されたCPT2遺伝子の変異を細胞に導入し、変異CPT2を発現する細胞を作製中である。この細胞を用いて、血液脳関門を構成する蛋白質の発現の変化、インフルエンザウイルス感染、鎮痛解熱剤に対する細胞膜透過性の変化、インフルエンザウイルス感染におけるTNF-αなどのサイトカインに対する応答性、ミトコンドリアの機能障害、プラスミン、ミニプラスミンによる細胞障害性の変化を検討するよていである。
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