2006 Fiscal Year Annual Research Report
肺毛細血管新生における血管内皮細胞と肺胞上皮細胞との情報伝達の解析
Project/Area Number |
18790728
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
山元 康敏 京都府立医科大学, 附属病院, 専攻医 (50405247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 公 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (80295659)
浜岡 建城 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (60189602)
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Keywords | 肺血管形成 / 血管内皮細胞 / 肺上皮細胞 / VEGF / Flkk-1 / Flt-1 / クロストーク |
Research Abstract |
重症チアノーゼ性心疾患に見られる肺血流分布異常の発現機構を明らかにするため、マウス胎仔肺を用いて初期形態形成における血管発生過程を共走点レーザ走査顕微鏡にて時・空間的に明らかにし、各種血管新生因子の発現様式、機能を検証した。 (1)肺血管形成過程は4段階に分けられ、肺上皮細胞からのparacrine形式のVEGFシグナルが血管内皮細胞の増殖、分化を促進することを報告した(白石、山元;Annual Review 2007循環器)。 (2)VEGFシグナルの上流に位置するHypoxia-inducible factor-1αは正常マウス胎仔の肺発生初期に肺上皮細胞に豊富に認め、発生後期に発現低下を認めた。 (3)マウス胎仔肺組織培養の系でFlk-1の機能阻害により血管網分枝、肺上皮の分化阻害が確認され、Flt-1の機能阻害により血管内皮細胞が増生し、異常血管網を形成するも肺上皮の分化阻害は認めなかつた。以上よりFlk-1陽性皿管内皮細胞がVEGFシグナルを正に制御するたけでなく、肺上皮細胞の分化を誘導する可能性が示唆された(Yamamoto et al.,Anatomical Record submitting)。 (4)胎生6.5日の妊娠マウスにレチノイン酸投与によりHeterotaxyモデルマウスを作製し表現系解祈を行った。30%の胎仔にRight isomerismが生じ、肺毛細血管網と肺胞上波に構築異常が認められた。 心奇形として大血管転位、共通房室弁孔が認められた。表現系をきたすメカニズムについて細胞増殖動態を検証すると、主に肺間葉系細胞の分裂亢進が関与していると考えられた(Yamamoto et al.,Circulation Journal,2006.70;474)。
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