2006 Fiscal Year Annual Research Report
多発性嚢胞腎における尿細管上皮細胞極性欠如の分子生物学的機序解明
Project/Area Number |
18790730
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
佐古 まゆみ 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (60405454)
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Keywords | 遺伝性腎疾患 / 多発性嚢胞腎 / CPKマウス / E-カドヘリン / エンドサイトーシス / 尿細管上皮細胞 / 細胞極性 |
Research Abstract |
PKDにおける病的尿細管上皮細胞の極性欠如の機序解明のため、以下の研究を開始した。 【1】CPKモデルにおけるE-カドヘリン発現量のE-カドヘリンエンドサイトーシスアッセイによる定量 ●CPKマウスは、ARPKDモデルで、尿細管上皮細胞における極性異常を示す。近年原因遺伝子がクローニングされ、PCRにより遺伝子型の決定が可能である。 ●生後0、7、14、21、28日のCPKおよび同日齢の同腹(対照)を用いる。各目齢5匹から腎検体を採取する。腎検体は、細胞接着部位分離、免疫組織学的検討、およびその他の実験系のための採取をおこなう。 ●細胞接着部位の抽出マウス腎組織よりE-カドヘリンの豊富に含まれる細胞接着部位を抽出する。 ●エンドサイトーシスされたE-カドヘリンの分離細胞接着分画を適切に調節された条件下で、中速遠心分離、ピペッティングにより、エンドサイトーシスされたE-カドヘリン分画とされていない分画に分離し、最終的に高速遠心分離によりエンドサイトーシスされたE-カドヘリンの分画を精製する。 ●エンドサイトーシスされたE-カドヘリンの定量 精製したE-カドヘリン分画をSDS-PAGEにより分離し、抗E-カドヘリンモノクローナル抗体およびペルオキシダーゼ標識二次抗体で免疫プロッティング後、ECLキットで化学発光させ、デンシトメーターで定量する。 ●CPKマウスのコロニーを当大学の動物飼育施設において確立したが、実験にもちいるホモマウスの出生が予想される数と比較してきわめて少なく、予定通りの研究の進行ができなかった。さらに後に、動物施設のマウス肝炎ウイルスの流行が発覚し、そのためマウスのクリーニング作業に用いる個体以外のマウスを処分せざるを得なかった。ホモマウスの出生率の低下が、マウス肝炎感染によるものかの確定は困難であるが、可能性はある。
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Research Products
(2 results)