2006 Fiscal Year Annual Research Report
Nーカドへリン・エンドサイトーシスによる神経シナプス可塑性の制御機構
Project/Area Number |
18790731
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
泉 鉉吉 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (70423952)
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Keywords | N-カドヘリン / エンドサイトーシス / 神経シナプス / 可塑性 |
Research Abstract |
学習・記憶メカニズムの基礎と考えられているシナプスの可塑性の制御機構にN-カドヘリンとのエンドサイトーシスが関連していることが報告されているがその機序は不明である。本研究では、N-カドヘリンのエンドサイトーシスの機序を明らかにすることにより、神経シナプスの制御機構の一因の解明を目的とした。 過去に報告されている文献を参考に、ラット脳から低比重緩衝液を用いて遠心分離を繰り返すことにより、post synaptic densityが豊富に含まれる分画(PSD fraction ; PSD)を得ることを目的に実験を行った。ラット大脳からこのPSDを得るための条件設定(遠心時間、緩衝液の調整等)に時間を要した。特に温度管理、迅速かつ正確な実験手技の獲得に非常に時間を要したが、安定してPSD分画を得られる実験系が確立できた。このPSDに含まれるN-カドヘリンにエンドサイトーシスを起こさせるため、Izumi G, J Cell Biol. 2004 Jul 19;166(2):237-48の方法に従ってエンドサイトーシスアッセイ実験を行ったが、十分量のN-カドヘリンをエンドサイトーシスさせることに成功していない。その原因として、PSDの回収率が不十分であることが推察される。現在このPSPをより効率的に得られる条件設定を行っている。また、このPSDを用いて、N-カドヘリンにエンドサイトーシスをより動率的に起こさせるための条件設定を行っている。さらにはPSD及びその他ラット脳細胞質分画に含まれる分子の中で、N-カドヘリンのエンドサイトーシスを促進するまたは抑制する分子を研究中である。
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