2007 Fiscal Year Annual Research Report
生体肝移植後における、安全かつ効果的な生ワクチン接種
Project/Area Number |
18790735
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
新庄 正宜 Keio University, 医学部, 助教 (20276314)
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Keywords | 生体肝移植 / 生ワクチン / 免疫抑制剤 / 麻疹 / 風疹 / 水痘 / ムンプス |
Research Abstract |
【方法】本年度も引き続き、生体肝移植後において、小児外科的および小児科学的基準をともに満たした小児に対し、麻疹、風疹、水痘、ムンプスの生ワクチン(抗体陰性の項目のみ)を、4週以上の間隔をあけて通常量接種した。接種にあたり、希望者に生ワクチンの重要性と危険性を十分理解していただき、書面で同意を得た。症例によっては、家族と相談の上、再接種を実施した。 【結果】平成20年3月までに、合計18症例(2-18歳)に対し、のべ69接種(再接種含む)行った。いずれの接種においても、拒絶反応や重篤な副反応と確認できる事項はなかった。抗体陽転率は、麻疹100% (14症例で18接種/18接種)、風疹100% (15症例で15/15)、水痘86% (10症例で12/14)、ムンプス鳥居株43% (3症例で3/7)、ムンプス星野株83% (11症例で10/12)、であった。3症例については接種後間もないので抗体価を測定していない。ワクチン接種後に上記疾患に罹患した者は1症例(ごく軽症の水痘)であり、昨年度すでに報告している(接種後には抗体陽転せず、ごく軽症で罹患後陽転)。ワクチン接種により一度抗体を獲得したのちしばらくして、再度抗体価が有意に上昇した症例が11症例(麻疹1例、風疹1例、水痘4例、ムンプス5例)あった。 【考察】肝移植後生ワクチン接種が安全に行われ、ムンプス鳥居株を除き良好な抗体獲得率が得られた。また、ワクチン接種し抗体を獲得したのち、不顕性感染によりブースター効果を得たと考えられる者もおり、ワクチンの有効性を示すこととなった。風疹を除き、抗体持続に関する課題が残された。 【備考】研究の一部を、3rd Congress of Asian Society for Pediatric Research (2007年10月7日、東京)において発表した。
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Research Products
(1 results)