2006 Fiscal Year Annual Research Report
小児先天性疾患、ニーマンピックC病及びヒルシュスプルング病の発症機序の解析
Project/Area Number |
18790738
|
Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
大神 信孝 中部大学, 生命健康科学部, 講師 (80424919)
|
Keywords | 細胞内コレステロール代謝 / NPC1 / 遺伝子改変マウス |
Research Abstract |
Niemann-Pick type C(NPC)病では、NPC1遺伝子の点変異の結果、細胞の後期エンドソームにコレステロール及びスフィンゴ脂質等が異常蓄積する。NPC1タンパク質は細胞内でHMG-CoA還元酵素などを介して生合成されたコレステロール(内因性コレステロール)及び細胞外の低密度リポタンパク質(LDL)由来のコレステロール(外因性コレステロール)の両コレステロールの細胞内輸送を担うことが知られているが、両コレステロールがお互いの代謝経路について影響を及ぼしあうことについて不明な点が多い。研究代表者は、コレステロール生合成経路の特異的阻害剤であるロバスタチンを用いて内因性コレステロールの細胞内レベルを調節することにより、内因性コレステロールが外因性コレステロールの細胞内輸送効率を時間依存的に制御することが世界に先駆けて明らかにしてきた(J Biol Chem. 2006)。また研究代表者は、ヒルシュスプリング病の発症と深く関わるRETと悪性黒色腫の関連を探る為に、RETトランスジェニックマウス(242系)とヘアレスマウス(HRS/J)を交配させ、242系ヘアレスRETトランスジェニックマウス(242 HL/RET-Tg mice)を新規に作製し、この242 HL/RET-Tg miceを用いて紫外線照射により誘発される悪性黒色腫の機構を解析した。その結果、皮膚黒色症はシグナル伝達系に関与するc-Jun, p38などのリン酸化を抑制することにより、紫外線照射により誘発される悪性黒色腫に対して防御的に作用することが分かった(J Invest Dermatol. 2006)。
|