2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790740
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
神田 靖士 関西医科大学, 医学部, 講師 (70295799)
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Keywords | 下垂体 / SP細胞 / 幹細胞 |
Research Abstract |
下垂体幹細胞の探索とその局在 下垂体の組織幹細胞を同定する目的で3日齢のマウス背部皮下にBrdUを2回/day,3日間の連続投与を行い、10週間後に幹細胞の可能性が示唆されているslow-cycling cellの同定を試みた。免疫染色の結果、BrdU陽性細胞のほとんどが幹細胞のマーカーの1つであるBcrp1に陽性で、わずかに存在する下垂体幹細胞の存在が示唆された。 下垂体幹細胞の分離とその発現遺伝子の解析 次にSide Population(SP)細胞分画を単離することにより幹細胞を純化することが可能と想定し、6週齢のマウスから下垂体を摘出後、分散化しHoechst33342にて染色後その陰性分画としてSide Population(SP)細胞を採取した。その割合は約1.3%であった。さらに、SP細胞とそれ以外のMP(Main Population)に分け、それぞれの分画の細胞からRNAを抽出し、Mouse oligo Microarray(アジレント社)を用いてSP細胞に特異的な発現遺伝子を解析した。その結果、SP細胞はBcrp1およびSca-1など複数の共通した幹細胞のマーカーがMP細胞と比較して過剰に発現していることが確認された。また、その中にまだ機能の解析が十分に行われていない下垂体に特異的な数種類の遺伝子が含まれていることが明らかとなった。更にこれらの遺伝子の発現をReal RT-PCRによって確認したところ、その発現はMP細胞と比較して強く発現していた。今後、これらの数種類の遺伝子に関してさらにその機能解析を進めていく予定にしている。 下垂体幹細胞のsphere形成能の検討 マウス下垂体細胞を取り出し、幹細胞培養用の環境で培養したところ、高頻度にsphereを形成することが明らかとなった。更にこの形成したsphereを分散化して同様に培養したところ、更にsphereを再形成することがわかった。今後、これらsphereの発現遺伝子の解析を行っていくと同時に、これらsphereを構成する細胞つまり幹細胞リッチな画分の多分化能の検討もおこなっていく予定にしている。
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