2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790741
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
牟田 広実 Kurume University, 医学部, 助教 (40343694)
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Keywords | 先天性心疾患 / QOL |
Research Abstract |
本年度は、昨年度までにQOLに影響する可能性が示唆された項目を網羅し、表現などを変更した新しい質問票を用いて、再度、少数の患者を対象に調査した。項目のうち、夜間頻尿、胸部Xp、心電図、心エコー、採血、運動負荷心電図、感冒時などの一般病院受診、独立することや家に一人でいることの不安については、QOLとの関係が低いことが示唆されたため、質問項目より除外した。また、めまいについては、疾病の症状としての関連性が低く、また発現頻度も低かったため、項目より除外した。次に、初年度に検討した包括的尺度の一つであるSF-36とそれぞれの項目の関連を検討したところ、歩行時の息切れ、臥床時の息切れ、浮腫、動悸、運動時のチアノーゼ、顔色不良については、身体機能との有意な正の関係(r=0.88)、教育・仕事・運動することの不安については、日常役割機能(身体)との有意な正の関係(r=0.86)、経歴・挙児の不安、将来の健康不安については、全体的健康観との有意な正の関係(r=0.72)、友人関係・人間関係の不安については、社会生活機能との有意な正の関係(r=0.67)、健康状態一般の不安については、日常役割機能(身体)と日常役割機能(精神)と有意な正の関係(それぞれr=0.63,0.72)を認めた。そのため、これらの項目については、これまでに検証され確立した質問紙であるSF-36を用いる方が適切と考え、項目より削除した。最終的に残った項目は、心臓病治療目的の入院、専門医受診、心臓カテーテル検査、定期の内服治療となり、すべて疾病に伴う負担感であった。これらの頻度(回数)と負担感の強さは、相関が低いため(r=0.56)、肉体的な負担感というより精神的な負担感であると考えられた。青年期に達した先天性心疾患患者に対するQOLを評価する方法として、包括的尺度であるSF-36に加え、これらの項目をVisual analog scaleを用いて評価することが有用であると考えられた。
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Research Products
(5 results)