2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790742
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Research Institution | Shimane Prefectual Shimane Women's College |
Principal Investigator |
籠橋 有紀子 島根県立島根女子短期大学, 家政科食物教室, 助手 (30369756)
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Keywords | 1型糖尿病 / 一次予防 / 二次予防 / 食餌環境 / 胎児期 / 乳幼児期 / 必須脂肪酸 |
Research Abstract |
【研究の目的】我々は、1型糖尿病モデルマウスであるnon obese diabetic(NOD)マウスを用いて胚子移植法による検索を行い、母体環境の変化が仔の免疫機構に様々な影響を与え、結果として自己免疫性1型糖尿病の発症率に深く影響を与えるという知見を得てきた。本研究では、母体を介して仔が摂取する栄養素の一つとして必須脂肪酸に着目し、1型糖尿病モデル動物のNODマウス母獣に異なる必須脂肪酸比率の餌を摂取させ、仔の顕性糖尿病発症率等に及ぼす影響を比較検討することを目的とした。 【本年度の研究実施状況】1.母乳および仔の血漿中および血球中の脂肪酸比率の測定。2.膵島の数および膵島炎の発症時期と進行度の解析。3.顕性糖尿病発症率の検討。 【今年度の結果および考察】1.母乳中の脂肪酸は、各々の食餌とほぼ同様の脂肪酸比率を示した。また、仔の血漿中および血球中の脂肪酸比率は、食餌中の比率と同様ではないが、反映する値を示した。2.母体を介した必須脂肪酸比率の低い群は、有意に膵島炎の程度が軽度であった。3.顕性糖尿病の最終発症率は、胎児期および新生児期のどちらも必須脂肪酸摂取比率が低い群で有意に低下した。しかしながら、胎児期および新生児期のどちらかに必須脂肪酸摂取比率が高い群は、顕性糖尿病の最終発症率が高かった。以上より、胎盤および母乳を介して摂取する必須脂肪酸比率は、仔の1型糖尿病発症に深く影響する可能性が示された。
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Research Products
(4 results)