2008 Fiscal Year Annual Research Report
レット症候群の脳内アミン代謝異常に基づく治療法の開発
Project/Area Number |
18790747
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
井手 秀平 National Center of Neurology and Psychiatry, 神経研究所・疾病研究第二部, 研究生 (80425701)
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Keywords | レット症候群 / MECP2 / カテコラミン |
Research Abstract |
レット症候群モデルマウスであるMecp2欠損マウスの全脳を用いたモノアミン濃厚測定では、野生型でみられるモノアミン濃度の正常な上昇が、2〜4週齢以降はみられないという現象を我々は見いだし、モノアミン代謝異常の理解が治療法の開発にも重要であると考えて研究を進めている。本年度は引き縮き、上記の現象に対応する病理学的変化を免疫組織化学的検討をおこなった。ドパミン神経細胞、ノルアドレナリン神経細胞、セロトニン神経細胞の細胞の減少の有無を検討した。サンプルとしては6週齢での野生型マウスとMecp2欠損マウスを用いたTrosine hydroXylase, triptophan hydroxylase, dopamine β hydroxylase,に対する抗体を用た免疫染色を行い、黒質、青斑核、縫線核における各モノアミン神経の細胞数を計測した。その結果、各モノアミン神経細胞数の有意な減少はみられないという結論を得た。これらの神経細胞の発生にMecp2遺伝子欠損は影響を与えないがその後の成熟が障害されていると予想に矛盾しない結果であった。モノアミン神経系の成熟は大脳皮質におけるモノアミン神経の軸索密度の違いで明らかにできるのではないかと考え、上記の抗体およびドパミントランスポーターの抗体を使用し大脳皮質の染色を試みたが、本研究期間内には客観的な検討に耐えられる程度の染色標本を得ることができなかった。また培養細胞系を用いたMecp2欠損系を確立し、現象の理解および治療法の評価系として利用することを試みたが、年度内に結果を出すことはできなかった。
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