2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18790752
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
右田 王介 National Research Institute for Child Health and Development, 生殖・細胞医療研究部, 共同研究員(医師) (20425721)
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Keywords | 再生医学 / 遺伝学 |
Research Abstract |
本年度は最終年度となる為、初年度および次年度に遂行している下記の事項の総合的な検証を実施した。 1)遺伝子変異スクリーニング法の確立 ムコ多糖症のI型、II型をターゲットに全エクソンのPCR増幅法を確立した。簡便な検査を目指すため全エクソンに対し温度設定、使用ポリメラーゼなどをまったく同一条件としたPCR法を確立する。同一の条件で増幅が可能になれば、予めPCR反応に必要なプライマーのセットを準備し、患者DNA検体とPCR試薬の混合物を添加するだけで半自動的に遺伝子変異探索の検討ができる。 2)スクリーニング法の評価 これまでに遺伝子解析が行われた既知の遺伝子変異をもつDNA検体を用い、DHPLC法による変異検索の検出率の検討を行う。対象とするムコ多糖症歯、生化学的診断によって確定的な診断が可能であり、遺伝子解析の検出率、特異性を検討しうるよいモデルとなる。直接シーケンス法による遺伝子変異の検出率と比較しDHPLC法によるスクリーニングの有用性を評価した。 3)遺伝子検査システムの確立 前年度までに整えたスクリーニングを併用した遺伝子検査システムを、遺伝子変異が未知の検体へ応用を開始する。このため、全国の医療施設からのムコ多糖症、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症、OTC欠損症など受け入れを開始する。 4)遺伝子検査システムの応用 本研究では、 PCR条件を画一化することによって自動化した検査体制の確立が期待できる。各疾患の病因遺伝子にある全エクソンのプライマーセットをあらかじめ準備したPCR用プレートを作製する。臨床的にある遺伝性疾患が疑われた際に、患者DNAサンプルとPCR試薬のミックスをこのプレートに投入することで、遺伝子の検討を迅速に行えるはずである。最終的に、この手法を多数の疾患に応用することを目指し、迅速な先天疾患の遺伝子診断システムの確立を目指した
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